本質を理解し、DXを制す 変革者たちからの招待状Vol.3 DX推進に不可欠なキーテクノロジー その最新動向やビジネス変革への道筋に迫る
NECが誇る世界No.1の生体認証技術
谷本氏: 本日は顔認証技術で世界をリードしてきた今岡さんを迎え、DXに必要不可欠なテクノロジーにフォーカスしたお話をお聞きしたいと思います。いま企業や組織が最も興味をお持ちなのが、様々なテクノロジーをビジネスや業務にどう活かせるかだと思います。
NECが持つ幅広いテクノロジー、さらにはその具体的な適用例などを教えてください。
今岡: 私は、現在「DXのフェロー」としてデジタルテクノロジーを統括していますが、その前は20年近く顔認証を中心に研究してきたこともあるので、まずはNECの生体認証からご紹介します。
NECは顔認証以外にも、虹彩、指紋・掌紋、指静脈、耳音響、声など幅広い生体認証を取り扱っており、「Bio-IDiom」として体系化しています。これだけ多くの生体認証を扱う企業は世界でも希な存在です。さらにNECの生体認証技術は、それぞれが世界トップレベルの精度に達しています。顔認証と虹彩認証は2021年にそれぞれ世界No.1の評価を獲得し2冠を達成しました※。顔認証は計6回、虹彩認証は計2回、指紋認証は計8回の世界No.1に輝いています。個々の生体認証で世界レベルの評価を受けている企業は他にもありますが、これだけ総合的なバイオメトリクスを品揃えし、いずれも高い評価を獲得しているのは世界でもNECだけだと思います。
(※)NEC、米国国立機関による顔認証精度評価で第1位を獲得https://jpn.nec.com/press/202108/20210823_01.html
NEC、顔認証に続き虹彩認証でも米国国立機関による精度評価で第1位を獲得し、2冠を達成https://jpn.nec.com/press/202109/20210902_01.html
谷本氏: そうした実績から、2021年に日本で行われた世界的なスポーツイベントでも、NECの顔認証技術が使われたそうですね。
今岡: 全競技会場・選手村に、大会関係者が入場する際の顔認証による本人確認システムを納入させていただきました。日本人だけでなく、世界各国の人々をきちんと見分けられるシステムが、セキュリティ強化に非常に役立ったと聞いています。
また、この4月には三井住友フィナンシャルグループ様が開業されたSMBC豊洲ビル全体に、マスク対応の顔認証入退館システムが導入されました。マスクを着用したまま高精度な本人確認が行えるため、新型コロナウイルスなどの感染症拡大リスクを低減しながら、何も持たないスムーズな入退館を実現しています。
社員証の盗難・紛失などによるなりすまし入退館などを防止でき、利便性とセキュリティを両立しているのが大きな特長です。
谷本氏: 2メートルを超える高身長の選手から車椅子の選手まで世界中から集まった様々な方を着実に認証できるってすごいことですよね。しかもマスクをしていても本人を見分けられるなど、すごい精度なのですね。
今岡: NECの顔認証は従来からマスク着用に対応していましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、新しい顔認証エンジンを開発しました。様々な色や柄、形のマスクに対しても99.9%以上の認証率を誇ります。
さらに顔認証と虹彩認証を組み合わせた「マルチモーダル型」の生体認証端末も実用間近に迫っており、顔と左右の目で異なる虹彩、合計3つの特徴を用いて、誤認率100億分の1以下の認証精度を実現しました。これは世界の総人口をカバーできる数値で、将来的には厳格な本人確認が必要な金融決済や医療現場にもグローバルで活用できると思います。