使って検証!300gを切る超快適サイズの新型「iPad mini」に死角はあるか?
近年のスマートフォンといえば、7インチに迫る大画面を搭載したモデルも多く登場しているため、動画視聴や電子書籍の閲覧といったエンタメコンテンツをより楽しめるようになってきました。
しかし、「もう少し大きければスポーツ観戦などでも大活躍なのに」と考えたことはないでしょうか。そんな願望を叶えてくれるのが、新型・第6世代の「iPad mini」です。実機を試せたので、早速レビューをお届けしていきましょう。
「iPad mini」はApple Store&ドコモ/au/ソフトバンクから購入可能!
新型iPad miniは、アップル公式の「Apple Store」からWi-Fi通信専用モデルとWi-Fi+Cellularモデルが発売中。また、ドコモ/au/ソフトバンクの3キャリアからWi-Fi+Cellularモデルが発売されています。
Apple Storeでは、Wi-Fi専用の64GBモデルが5万9800円、256GBモデルが7万7800円。Wi-Fi+Cellularタイプの64GBモデルが7万7800円、256GBモデルが9万5800円となります。
ドコモでは、新規契約の一括払いでWi-Fi+Cellularモデルの64GBモデルが8万5536円、256GBモデルが10万3752円。ドコモの「ギガプラン」契約者が加入できる「5Gデータプラス」は、月々1100円で、スマートフォン契約のデータ通信量をタブレットとシェアできます。
auではWi-Fi+Cellularモデルの64GBモデルの現金販売価格が7万9200円、256GBモデルが9万7920円となります。対象のデータ定額サービスに契約しているユーザーであれば、タブレットでのデータ通信も行える「データシェア」は、申し込みさえすれば無料で使用できます。
ソフトバンクでは、Wi-Fi+Cellularモデルの64GBモデルが総額8万8560円、256GBモデルが総額10万8720円となっており、スマートフォンとデータをシェアできる「データシェアプラン」に月々1078円で加入できます。また、タブレットのみでデータ通信が月々50GBまで利用できる「データ通信専用50GBプラン」が5280円/月、月々3GBまで使用できる「データ通信専用3GBプラン」が1408円/月となります。
また、ソフトバンクではWi-Fi専用モデルも販売中。64GBモデルが総額5万9800円、256GBモデルが総額7万7800円となっています。
とにかく小さくて軽い! こんなに快適に持ち運べるタブレットを待っていた!
「iPad mini」は、ディスプレイサイズが8.3インチでスマートフォンよりは大画面ですが、タブレットとしてはかなり小さいサイズ感。本体質量はWi-Fiモデルが293g、Wi-Fi+Cellularモデルが297gと超軽量で、カバンに入れて持ち運ぶのも快適です。
左がiPad mini、右は6.1インチディスプレイ搭載のiPhone 13 Pro
特に電車移動の際などは、10インチを超えるタブレットは片手での操作が難しく、周囲の人の邪魔になってしまうことも考えられます。スマートフォンよりも大画面で動画視聴や電子書籍が楽しめ、なおかつ扱いやすいiPad miniは持ち運びにかなり有用でしょう。
また、ブラウザを開きながら動画を視聴するなど、Split View(画面分割機能)を使って2つのアプリを同時に起動するのも快適。多くのスマートフォンでも利用できる機能ですが、8.3インチの画面サイズがあれば両方のアプリがどちらもしっかり確認できます。
個人的には、よくスマートフォンでサッカー観戦をするのですが、7インチ未満のディスプレイだとさすがに小さく、ボールの位置が見えにくいことが多々あります。8.3インチの「iPad mini」であればより細かい点まで選手やボールの動きが確認できるのに加え、気軽に体勢を変えられるので便利でした。
第6世代になった「iPad mini」は、ディスプレイ下部のホームボタンを廃止し、フロント部分のほぼ全面がディスプレイになっています。そのためコンパクトなサイズ感ながら、しっかりと迫力のある映像が楽しめるようになりました。
ホームボタンが廃止されたことで、Touch ID(指紋認証)はトップボタンに内蔵されました。電源をつけるのと同時にロックの解除が行えるので便利です。
また、前世代からの変更点として充電端子がUSB Type-Cになった点が挙げられます。モバイルバッテリーを持ち運ぶ人にとっては、ワイヤレスイヤホンといった製品に用いられることが多く、汎用性の高い規格に対応したのは大きなポイントでしょう。
本体カラーは「スペースグレイ」「ピンク」「パープル」「スターライト」の4色になっています。
「Apple Pencil(第2世代)」対応でお絵かきも手書きメモも簡単!
新型「iPad mini」では、iPadで使用できる純正のタッチペン「Apple Pencil(第2世代)」にも対応しています。本体側面にはマグネットが内蔵されており、Apple Pencil(第2世代)を取り付けることができるので、持ち運びも快適です。
スマートフォンの操作ではあまり馴染みのないタッチペンですが、比較的大きな画面を持つタブレットでは絵を描いたり、手書きのメモを取る際に便利です。筆者は壊滅的な絵心を持っているため普段あまり絵を描くことはないのですが、取材の際などにサッとペンでメモを取れるのは重宝しています。
「iPad mini」を購入時にインストールされている「iPadOS 15」では、画面の右下からディスプレイ中央に向かってスワイプすることで「クイックメモ」を起動できます。これはどんなアプリや画面を開いていても起動できるようになっているため、「Apple Pencil(第2世代)」と併用することで便利な機能になっています。
「iPhone 13」シリーズと同じ高性能チップセット搭載でパワフルに動く!
搭載CPUには、「iPhone 13」シリーズに搭載されている「A15 Bionic」が搭載されています。iPhoneシリーズの高性能はわざわざ説明するまでもないかと思いますが、同じく最新のプロセッサを搭載することで、動作性も抜群。せっかく購入した「iPad mini」を数年間使いたいという人にも嬉しい仕様です。
実際にアプリゲームをプレイしたり、動画を長時間視聴していますが、動きがカクついたり、アプリが停止してしまうシーンは見られません。コンパクトながらパワフルな性能を持っているのも、「iPad mini」ならではでしょう。
電子書籍の閲覧も快適
Wi-Fi+Cellularモデルの場合、nano-SIMのほかに「eSIM」にも対応しています。各通信キャリアや一部のMVNOで提供されているeSIMを使用すれば、手軽にキャリアの乗り換えができたり、通信回線をすぐに開通できる可能性があります。
テレワークでもやっぱり「iPad mini」が活躍!? 超広角フロントカメラ搭載!
「iPad mini」では、フロントカメラ(FaceTime HD カメラ)に12MPの超広角レンズを採用。「iPad Pro」に搭載されて話題となった、FaceTimeビデオ通話中に、ユーザーの動きに合わせて画角を自動調節してくれる「センターフレーム」機能も利用できます。
テレワークという観点でいうと、ZOOMなどを使用したオンライン会議において「iPad mini」を使用するのもありでしょう。パソコンは資料作成やその他の作業に使用したいという人にはうってつけです。
スピーカーは本体を横置きした際に左右から臨場感のある音を再生できるステレオスピーカーとなっており、マイクはデュアルマイクを搭載しています。これらもオンライン会議において「iPad mini」が活躍できる要因の1つです。
アウトカメラは12MP広角のシングルレンズ。最大5倍のデジタルズームに対応しています。スマートフォンのカメラほど使用頻度は高くないかもしれませんが、QRコードを読み取ったり、資料をサッと撮影したい場合などには便利なので外せない機能でしょう。
デバイス選びを再考させてくれるコンパクトタブレット「iPad mini」
8.3インチのコンパクトタブレットとして登場した「iPad mini」は、屋内外問わず快適に使用できるサイズ感に、iPhone 13シリーズと同じ「A15 Bionic」を搭載することでパワフルな性能を備えた製品。
近年、様々な動画コンテンツや電子書籍などが登場している中で、これらを楽しむために6.5インチ以上のディスプレイを搭載したスマートフォンを選んでいるという人も多いでしょう。
「iPad mini」があれば、エンタメコンテンツは「iPad mini」で楽しみ、SNSや電話といった“携帯電話”としての機能は、「iPhone 13 mini」のようなコンパクトで携帯性や操作感に優れたモデルで使用するといった使い分けも便利でしょう。
今回はあまり触れませんでしたが、「iPad mini」は当然アップル製品らしくiPhoneやMacシリーズといった、その他のアップル製品との互換性が高いのも魅力。多くの人に、“持ち運びやすい大画面”を体験してほしいと思います。
取材・文/佐藤文彦