「EGRETII mini」開封レポート! モニターのタテ・ヨコ切替機能を搭載した画期的なゲーム機
70~90年代にかけて登場した、タイトー歴代のアーケードゲームを40タイトル収録した「EGRETII mini(イーグレットツー ミニ)」が、ついに3月2日に発売される。【この記事に関する別の画像を見る】 本機は1996年に登場し、全国各地のゲームセンターで長らく使用されていた汎用型ビデオゲーム筐体「EGRETII」を卓上サイズにコンパクト化したデザインになっている。収録タイトルに応じて、液晶モニターを元祖「EGRETII」と同様に縦、横向きの切替機能を搭載し、別売りの「イーグレットツー ミニ専用パドル&トラックボールゲーム拡張セット」を購入すると、さらに10タイトルが追加で遊べるようになるのが特徴だ。 以下、本稿では「EGRETII mini」本体と、別売りの「イーグレットツー ミニ専用コントロールパネル(2Pカラー)」および「イーグレットツー ミニ専用パドル&トラックボールゲーム拡張セット」の各種機能や使用感をまとめてお伝えする。購入時の参考にしていただけたら幸いだ。■ モニターの向きの変更、各種オプション機能も簡単に設定可能 「EGRETII mini」のパッケージには、本機のほかに電源用のUSBケーブルとHDMIケーブル、インストラクションパネル(※ゲームの遊び方が書いてある、いわゆる「インストカード」をセットするためのパネルをミニチュア化したもの)およびマニュアルが同梱されている。 コンパネはレバー1本と6ボタンのほか、クレジット(青)、スタート(ピンク)とメニュー(白)ボタンが付いている。レバー、6ボタンともに元祖「EGRETII」よりも小さいので、レバーは上から軽くつまむ「かぶせ持ち」で操作するのがオススメ。ボタンを連射する場合は、2本の指で交互に叩く「ピアノ撃ち」よりも1本の指で叩く「ケイレン撃ち」のほうがしやすいだろう。また、底面にはレバーの入力を8、4方向に変更するための入力切替レバーも搭載されているのでたいへん便利だ。 USBケーブルをつないで電源スイッチをONにすると、元祖「EGRETII」と同様に上部のイルミネーションパネル(ランプ)が点灯し、タイトーと本機のロゴが表示されてからメニュー画面へと移行する(※初回起動時は、最初に言語設定画面が表示される)。 メニュー画面に移行したら、レバーを上下に操作して遊びたいタイトルにカーソルを合わせ、Aボタンを押すとゲームの紹介文と操作説明画面が表示されるゲームメニュー画面に移行し、ここでさらにAボタン(※6ボタンのうち左下にあるボタン)を押すとゲームが起動する。セーブデータがある場合は、セーブデータを選んでからAボタンを押すと、セーブした時点からすぐにゲームが再開する。 モニターを縦または横向きに変える方法もいたって簡単だ。まずモニターの左右のフレームを指で軽く押し込み、モニターが手前に飛び出したら90度回転させて、モニターを再び本体に押し込むだけでオーケーだ。ちなみに、どのタイトルもモニターの向きに合わせて自動で表示サイズが変更される機能が付いているので、本来とは異なる向きのままでも遊べる。ただし、例えば本来は縦画面の「スペースインベーダー」を横画面で起動した場合は、画面の左右に余白が生じて表示サイズが小さくなってしまう。なので、モニターは必ず正しい向きにセットしたうえで遊ぶようにしたい。 レバー入力を8、4方向のいずれかに設定できる、切替レバーもとても便利だ。昔のビデオゲーム筐体は、レバーの入力設定を変更する際は鍵を使ってコンパネ部分をいったん開いてから、サブガイドと呼ばれる部品の取り付け場所を変えるなどといった手間があったが、本機はワンタッチですぐに変更できるので実にありがたい。 次に、メニュー画面でEボタン(※6ボタンのうち上部中央にあるボタン)を押すと起動する「本体設定」の主な機能を見てみよう。 収録タイトルは、最初は発売された「年代順」にソートされているが、「本体設定」の「ソート」設定を利用して「名前順」または「お気に入り順」に並べ替えることも可能。「お気に入り」とは、メニュー画面でDボタン(※6ボタンの左上にあるボタン)を押すとカーソルを合わせたタイトルの横に★マークが付く機能のことで、「お気に入り順」にソートすると★マークが付いたタイトルが最上部に表示されるようになる。 HDMI出力時のみ使用できる「壁紙」設定をONにすると、各タイトルを起動中に壁紙が表示されるようになる。壁紙のデザインはタイトルごとにそれぞれ異なる(※キービジュアルなどが表示される)ので、こちらも一見の価値がある。また「フィルタリング」設定をOFFにすると、画面全体がぼんやりと色がにじんだ表示になり、昔のブラウン管モニターで遊んでいるかのような懐かしい気分にさせてくれる。HDMI出力時も縦画面に対応しているので、「スクランブルフォーメーション」や「TATSUJIN(タツジン)」などのタイトルを、ゲームセンターと同様に家庭でも縦画面にして遊べるのはありがたい限りだ。 「BGM」設定からは、メニュー画面で流れるBGMを3種類の中から自由に選ぶことができる。いずれの曲も、歴代のタイトー作品に使用された音源で再現され、メニュー画面のBGMではあるが各音色によって、メロディを聞いているだけで懐かしい気分にさせてくれる。カーソルを動かした際に鳴るジングルは、レバーの上、下の入力時でそれぞれ異なり、さらには電源をOFFにしたときだけ鳴るジングルも用意されるなど、サウンドのエキスパート集団「ZUNTATA」を擁するタイトーならではの細かい演出が随所に盛り込まれている。 ゲームをプレイ中にメニューボタンを押すとポーズメニュー画面に切り替わり、その時点のプレイデータを保存する「セーブ」、以前に保存したプレイデータの「ロード」、ゲームを最初から寄り直せる「ゲームリセット」の各機能を選択することができる。プレイデータは、タイトルごとに最大3個まで保存することが可能だ。また、ゲームメニュー画面でEボタンを押して「ゲーム設定」に切り替えると、タイトルごとに難易度や残機数、プレイ時間などを自由に変更して遊べる機能も搭載されている。 「スクランブルフォーメーション」や「メタルブラック」など、シューティングおよびアクションゲームには連射ボタンが標準搭載されているのも嬉しい。通常のショットまたは攻撃ボタンはAボタンに、連射はDボタンに割り当てられているので、場面に応じて連射とマニュアルのボタンを使い分けながらプレイすることもできる。ちみなに忍者アクションゲームの「影の伝説」は、手裏剣だけでなく刀も連射(※ボタン押しっ放しで、刀を連続で振り回す)可能となっており、より快適に遊べるよう配慮している点も特筆に値する。
GAME Watch,鴫原盛之
最終更新:Impress Watch