• 02/04/2022
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堤防建設で地盤沈下「傾く家」その後も住民の不安と不満続く(島根・出雲市)

山陰中央テレビ

堤防建設で地盤沈下「傾く家」その後も住民の不安と不満続く(島根・出雲市)

以前この時間でお伝えした、出雲市の神戸川で起きている堤防工事に伴う地盤沈下問題です。すでに国交省による対策工事が始まっていますが、周辺を継続取材すると深刻な被害が広範囲にわたっていることが分りました。住民の不安が続く、地盤沈下問題を深層調査です。転がるビー玉見せ勢いよく転がっていくビー玉。住民:「ここらが空いている。ここからここまで」家の隅にぽっかり空いた大きな隙間。取材スタッフ:「こちらの橋の欄干なんですけど、ずれて段差ができちゃってますね」出雲市の神戸川で起きている堤防工事に伴う地盤沈下問題。継続して取材をすると、その被害の深刻さが浮き彫りとなってきました。神戸川の堤防から70メートルほどの住宅。住民:「ここはサッシですけど隙間が空いてしまってね。雨が吹き込んできます」サッシが最後まで閉まらなくなり、隙間から家の中が見えてしまっています。住民:「壁の方にヒビが入ったり、それからこっち、下の方にヒビは入っている」玄関近くの外壁やコンクリートには大きな亀裂が入っています。これらの被害の原因、それは…洪水などの被害から地域一帯を守るため、1993年にはじまった堤防工事。堤防の重さで住宅地が沈み込むのを防ぐため、長さ26メートルの鉄の板を打ち込む対策を取りましたが、ゆるく軟らかい土の層が想定よりも深かったため、地盤沈下の影響が広範囲に渡っています。堤防沿いの住む女性は…住民:「あんたのところの家なんか豆腐の上に建っているもんだって言われて。やっぱり地震の時なんかはものすごく揺れますね」住宅の被害は、神戸川の右岸約5キロと左岸約3キロに及び、家に亀裂が入ったり、傾いたりする被害は164件にものぼっています。こちらの家では足元に…住民:「ここらが空いている。ここからここまで。ここは直すけどね。ここが僕の手より大きいか、これくらい」その幅を測ってみると…取材スタッフ:「3センチいかないくらい空いていますね」ビー玉を床に置いてみると…取材スタッフ:「やっぱり斜めってますね」住民:「全体で1、2の3で、こう転がらずに、ここに山があってそこからこういってるし、こっちにもいってるね」画面下の方向へ勢いよく転がっていくビー玉。家が傾いていることが分かります。住民:「これで終わらんと思うよ、ここ下がものすごい柔らかいから」別の住宅でも。住民:「30年間で傾きは30センチ。年間1センチずつ。単純計算でね」おととし、国から出た補償金で傾きをなくすため、家の土台を補修したといいます。住民:「これが修繕の跡です。これぐらい上げとる」しかし、今も地盤沈下は続いているようで…住民:「いまこれ、これが今これだけ。補修して埋め込んであるんですよ。この幅にずっとヒビ割れ」一度修復した場所にまたひび割れが…住民:「もう完全に止まってほしい。将来的に生活的に下がれば修繕もせにゃいけんし、その時のちゃんとした補償があればいいけど、今後、国がどういう考えをもってやるのかわかりませんし」国交省は去年12月から約260億円をかけて、新たに45メートルの鉄の板を地中深くに打ち込む対策工事に着手しました。出雲河川事務所・大賀祥一副所長:「堤防の沈下、それに伴う家屋の沈下と損傷についてはお詫びしたいと思っております。速やかに堤防の沈下対策として、現在、あちらのような矢板を1日でも早く進めてまいりたい」しかし、住民は…住民:「不安はあるよね。月日が経つとまた同じことが起こるとこまではいかんでも、何か変化が起こりやせんかなっていうことは、誰も思ってはせんかね」地盤沈下による住宅被害。長期的な補償など、住民に寄り添った対応が求められています。

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