• 31/01/2023
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Androidスマホの画面をFire TV Stickにミラーリング

自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第54回

 使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行から自宅で過ごす時間が増え、僚誌AV Watchの7月14日付記事『有料の動画配信サービス利用率はAmazonが突出。外出自粛で動画視聴大幅増』にもある通り、ネットで自由に映画や番組を楽しめるVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスが人気を集めている。

 そこで、在宅時間の増加から人気のAmazon「Fire TV Stick」を解説している。パッケージには取説が入っていないので、知らないとちょっとハマる部分もある。前半の解説で、Fire TV Stickを5GHz帯の自宅Wi-Fiに接続できている。これからセットアップする人は、そちらから読みはじめてもらいたい。

今回は、「Fire TV Stick」へスマホやPCの画面をミラーリングしてみる

「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ! 使いこなし編」連載記事一覧

 今回からは、Fire TV Stickに対し、スマホやPCから画面をミラーリングをして表示する方法を実践していこう。Fire TV Stick向けのアプリがない動画サービスを表示させたり、単純にスマホやPCの画面をテレビの画面に表示させたい時に重宝する。家族に写真や動画を見せたり、仕事でプレゼンを見せるといった用途にも使える。

スマホやPCの画面をテレビに表示しようMiracastでFire TV Stickへミラーリング

 Fire TV Stickに画面表示させる技術は、Wi-Fi Allianceによって策定された「Miracast(ミラキャスト)」という技術を用いている。

Androidスマホの画面をFire TV Stickにミラーリング

 ザックリ言うと、Wi-Fiの無線通信にHDMIのディスプレイをほぼそのまま伝送するという技術だ。Androidスマホからだと、Chromecastの「Google Cast」とは異なる方式なので、接続方法に注意が必要だ。

 使い方で見ると、Miracastでは画面全体をミラーリングするのに対し、Google Castはアプリからキャストするという手法だ。そのため、Miracastで画面を転送するには、OS側が対応している必要がある。Androidは4.2、Windowsは8.2から対応している[*1]。利用するアプリによっては、ミラーリングが禁止される場合もある。

[*1]……Windows 10であればおおむね使えるが、実際にはWi-Fiやディスプレイドライバーの対応が必要で、古いハードウェアで対応できないケースもある。Windowsでの詳しい接続は次回行う予定だ

 iPhoneなどのApple製品は、「AirPlay」という似た機能が使える。ただし、そのままではFire TV Stickで利用できないので、後ほど対応方法を解説していく。

Fire TV Stick側でミラーリング待機の状態に

 まず、Fire TV Stick側でミラーリングを待ち受ける方法を覚えておこう。「ホーム」ボタンを長押ししてメニューを表示し、「ミラーリング」を選択すると待ち受けの状態となる。[設定]の[ディスプレイとサウンド]から[ディスプレイミラーリングを有効にする」からも同じ待ち受け状態にできる。

Fire TV Stickで「ホーム」ボタンを長押ししてメニューを表示し、[ミラーリング]を選択[ディスプレイミラーリング]の画面が表示され、Miracast接続を待ち受ける状態になる

同じWi-Fiに接続しているかをチェックスマホ側を操作して反映

 Fire TV Stickを待ち受けの状態にしたら、次はAndoroidスマホ側で画面をミラーリングする操作を行う。まず、Fire TV Stickと同じWi-Fiに接続していることを確認してから、設定を開始しよう。

[設定]の上部にある入力欄へ「スクリーン」と入力すると表示される「スクリーンキャスト」または「マルチスクリーン」などの機能名をタップほかに、画面上部からスワイプして表示させる[クイック設定パネル]から機能を設定できる場合もある[スクリーンキャスト]などの機能をオンにすると、Fire TV Stickが使用可能なデバイスとして表示されるのでタップ「接続済み」と表示され、画面右上にキャストアイコンが表示されればOKFire TV Stick側の表示が自動的に切り替わるFire TV Stickにスマホの画面が表示される

「TVer」などテレビや動画の配信サービスはミラーリングに非対応の場合も

 アプリ側でスクリーンキャストなどのミラーリングを禁止している場合、Fire TV Stickへ画面を配信できない。例えば、本連載でここまでに紹介してきたものでは、テレビ番組録画の再生アプリの「REC-ON app」や、有料動画サービスである「TVer」「Hulu」などがそれにあたる。

 ただ、YouTubeやニコニコ動画などの動画共有サービスは、ミラーリングが禁止されていないケースが多いようだ。Fire TV Stickのアプリが提供されていれば、そちらを優先して使えばいいし、「Silk Browser」などのウェブブラウザーを使えば閲覧できる場合もあるので、好みで選べばいいだろう。

後は、好みのアプリを横画面にして利用する。これはアプリが提供されていないニコニコ動画の画面

 スマホで操作できると便利なアプリも多いが、ゲームなどは遅延が大きいため、アクションゲームは向かないかもしれないが、いろいろ試してみて欲しい。

ゲームもできないことはないが、遅延がかなりあるので、シビアなアクションゲームには向かない終了させたい場合には、Fire TV Stickのリモコンで何らかのボタン(音量と消音以外)を押すと、終了のメニューが表示される

 次回は、Windows 10のPCから画面共有をしてみよう。プレゼンなどで便利になる。

今回の教訓(ポイント)

Fire TV Stickで、スマホやPCの画面を共有できるAndroidスマホでは最も簡単にスクリーンキャストが利用できる

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。