• 16/03/2023
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“知ったかぶり”したい人のための電子書籍入門--(2)端末編

電子書籍について“知ったかぶり”をしたい人のための短期連載。前回の導入編では電子書籍のメリットとデメリットを紹介したが、第2回はデバイスの選び方についてお届けする。電子書籍を読むための端末にはどのような種類があり、それぞれどんな特徴があるのか、実機を例にしつつ紹介していきたい。

電子書籍を読むデバイスとしては、PCのほか、スマートフォン、タブレット、専用端末、さらにはフィーチャーフォンなどが挙げられる。それぞれのデバイスごとに利用できる電子書籍ストアに制限があるうえ、お目当ての本を扱っているかどうかはストアによって異なるので、本来は「ストアを決めてからデバイスを選ぶ」のが望ましいことになる。

とはいえ、利用者はなにも電子書籍のためだけにデバイスを選ぶとは限らない。評判のタブレットや電子書籍端末が気になって仕方がない、買った機器でどこかの電子書籍ストアが使えればいいといった「物欲先行」のパターンもかなりの割合にのぼることだろう。本連載でストアよりも先にデバイスの特徴と選び方を紹介するのも、そうした理由によるものだ。

電子書籍を読むことができるさまざまな端末。左上から時計回りに、iPad、iPhone 4S、Nexus 7、Kindle Fire HD、Kindle Paperwhite

「買う」に適したデバイス、「読む」に適したデバイス

電子書籍を読むデバイスについて理解するためには、「買う」と「読む」をわけて考えるとよい。かつてのケータイコミックは、「ケータイで買い、ケータイで読む」仕組みであり、タブレットや専用端末が出現する前は「PCで買い、PCで読む」が主流だった。つまり同じ機器で「買う」「読む」をこなし、しかも1対1というのが一般的だったわけだ。

“知ったかぶり”したい人のための電子書籍入門--(2)端末編

しかし、最近ではさまざまなデバイスが出現し、対応機器の幅も広がり、その結果として電子書籍を扱えるデバイスを個人が複数所有するという「1:n」のケースも増えた。「PCで買い、スマホとタブレットと専用端末で読む」といった具合に自由度が高くなったわけだ。

「買う」と「読む」では機器に求められる特性が大きく異なる。「買う」ためにはまず本を探す必要があるわけで、それにはなるべく大画面のほうが望ましい。そうした意味でまず候補に上がるのはPCだ。

デスクトップにせよノートにせよ、PCでストアを検索して本を購入するのは、ショッピングサイトと同じ感覚で利用できることから、そう難しくはない。ただし「読む」場合、PC上で画面に正対して読むというのは慣れも必要だし、ましてや自宅外に持ち歩いて通勤中に広げて読むのはまず無理だ。

ある程度の画面サイズは確保したうえで「読む」ことに主眼を置くのであれば、iPadやAndroidタブレットなど、9~10インチのタブレットがおすすめだ。縦向きであればB5サイズ相当、横向きにすれば単行本の見開きも原寸に近いサイズで表示できるので、サイズ上の違和感は少ない。

カラー液晶ということで、雑誌などのカラーページも見栄えよく表示できるし、多くのストアはiOS/Android環境で利用できるので、ストアの選択肢も豊富だ。画面が大きいのでストアで本を探すのもたやすい。ただし外出先に持って行くにはやや重く、また片手で扱うのは難しいという問題もある。

タブレットでもうひとつの選択肢は、最近普及しつつある7~8インチの小型タブレットだ。1万9800円という価格で注目を集めているGoogleのNexus 7や、先日発表されたばかりのiPad miniであれば、片手でじゅうぶん持てるサイズということもあり、持ち歩いて電車内などで使うのも容易だ(たとえ片手で持てても、片手でめくれるとは限らないのだが、9~10インチのタブレットに比べるとハンドリングはしやすい)。

見開きページの表示こそ困難だが、文庫本や新書、単行本はほぼ原寸サイズで表示できるので、見づらいといったこともない。画面サイズはもうひとまわり下になるが、GALAXY Noteのような5.5インチ端末も、この部類に入るだろう。

画面サイズは犠牲になってもいいのでなるべく荷物を増やしたくない、ふだん持ち歩いているデバイスで電子書籍を楽しみたいというのであれば、iPhoneをはじめとするスマートフォンという選択肢になる。

文字サイズがきちんと変更できる電子書籍コンテンツであれば、1画面に表示できる文字数が少ないというわけで、文字が小さく見づらいといったこともない。なにより、すでにスマホを持っているのであれば、ハードウェアへの追加投資が不要というのは、メリットとしては大きいだろう。