• 05/02/2023
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これで1万円台!? Amazon本気のTWS「Echo Buds(第2世代)」を聴く

これで1万円台!? Amazon本気のTWS「Echo Buds(第2世代)」を聴く

Amazonが2月24日に出荷開始した完全ワイヤレスイヤフォン「Echo Buds(第2世代)」。「Amazon本気のワイヤレスイヤフォン」と謳い、独自にカスタム設計したアクティブノイズキャンセリング(ANC)技術や、Alexaによるハンズフリー機能を盛り込みながら、価格はもっとも安いワイヤレス充電非対応モデルで12,980円とリーズナブルに抑えられている。【この記事に関する別の画像を見る】実際に使ってみた結論から言うと、価格を抑えながら高音質とANC性能を両立した“高コスパ”イヤフォンに仕上がっていた。■ Echo Budsの特徴をおさらい最大の特徴はAmazonが独自にカスタム設計したANC技術を搭載し、屋内外を問わず快適に音楽を楽しめること。前世代のEcho Budsと比べると、100Hzから1kHzの間で、平均して6dBほどノイズが減少。「実質的に2倍のノイズを消すことができる」という。搭載するドライバー口径は5.7mm。低音と高音の精度を高めるように最適化されており、音楽や音声再生中の歪みを低減、明瞭にメロディや言葉を聞き取れる。本体はIPX4の防滴仕様で水しぶきや汗、小雨にも耐える。バッテリー持続時間は最大5時間、ケースと併用で最大15時間。15分の充電で最大2時間の音楽再生ができる。ワイヤレス充電非対応でUSB Type-Cケーブルで充電するモデルと、ワイヤレス充電対応ケース付きモデルの2種類が用意されている。今回試用したのはワイヤレス充電対応モデルで、価格は14,980円。ワイヤレス充電対応モデルも、USB Type-Cでの有線充電もできる。■ 高級感ある外装。ANC性能は“それなり”まずは充電ケースの外観から。Echo Budsのケースは横長なデザイン。つや消しのプラスチック素材が使われており、サラサラとした手触りで価格以上の高級感を感じられる。AirPods Proのケースと比べると横幅は長いものの、高さは抑えられている。ケース背面には充電用のUSB Type-Cポートとボタンを装備。底面にはAmazonの“スマイルマーク”が薄くあしらわれている。ケース正面と蓋を開けた内側にはLEDを搭載しており、バッテリー残量やペアリングモード状態などを確認できる。イヤフォン自体は円形で、重さは5.7g(イヤーチップ、ウイングチップ除く)と軽量。耳への収まりもよく、自分にあったサイズのイヤーチップ、ウイングチップを装着すれば左右に首を振っただけではズレてしまうことはなかった。そのイヤーチップ、ウイングチップのフィット具合は、「Amazon Alexa」アプリでテスト可能。任意のタイミングはもちろん、初期セットアップ時にもチェックすることができる。フィットテストでは、約10秒ほどのテスト音が流れたあと、イヤフォンのフィット具合が左右それぞれ三段階で表示される。各サイズのイヤーチップ、ウイングチップを試して「最もスコアが良く、快適で安定性のあるものを選んでください」とのこと。なお、テストは静かな環境で動かずに行なうように指示される。付属イヤーチップは4サイズ、ウイングチップは2種類。そのほかUSB Type-Cケーブルも付属するが電源アダプターは同梱されていない。Amazonが独自にカスタム設計したというANCは、静かな室内で音楽をかけていない状態では「サーッ」というホワイトノイズが少し気になるが、エアコンや空気清浄機の稼働音などはしっかり隠してくれる。ホワイトノイズも音楽を再生してしまえば、まったく気にならなかった。地下鉄に乗って、ANC性能をチェック。AirPods Proと比べると、ANC性能は一段下がる印象だが、それでも耳障りな走行ノイズを適度にマスクしてくれる。また、イヤフォン自体の遮音性も高いため、必要以上に音量を上げなくても音楽を楽しめた。外部音を取り込めるアンビエントサウンドモードには、「Amazon Alexa」アプリのホーム画面に表示されるモードボタンを押すことで切り替えられるほか、左右どちらかのイヤフォンの長押し、「アレクサ、アンビエントサウンドモードにして」と呼びかけることでも切り替えられる。周囲の音の取り込み具合はアプリから5段階で変更できる。こちらも、いかにもマイクで外の音を拾っているような印象はなく、自然な聴こえ方。もちろん駅や電車内のアナウンスもしっかりと確認できる。少し気になったのは長押し操作時に、3~4秒ほどイヤフォンを押し続ける必要があること。筆者の体感としては、ちゃんと反応しているか少し気になる程度には長く感じられた。Amazonによれば、これは「誤操作を防ぐため」の処置とのこと。そのほかイヤフォンからの操作は、デフォルトの場合、タップで再生・停止、ダブルタップでスキップ、トリプルタップで巻き戻しが割り当てられている。また、これらの設定はアプリから変更できる。別売りされているAnker製の「Echo Buds用 PowerWave 5Wワイヤレス充電パッド」(1,980円)も試してみた。充電パッド中央にケースがフィットするくぼみが設けられているので、ワイヤレス充電対応ケースを置くだけで充電ができる。充電パッド前面にはイヤフォンとケースのバッテリーレベルを表示するLEDも備えられている。この充電パッド自体はQi規格に対応しているため、Echo Buds以外にもQi規格に対応しているデバイスであれば充電できる。なお、こちらもUSB Type-C to Type-Aケーブルが付属するが電源アダプターは非同梱。別途、出力7.5W以上のアダプタを用意する必要がある。Echo Budsならではの機能としては話しかけるだけでAmazon Alexaを呼び出せることが挙げられる。着信への応答や電話発信といった操作に加え、Amazon MusicやApple Music、Spotifyの楽曲を再生したり、外出中にEcho Budsで聴いていた楽曲の続きを、自宅のEchoデバイスでかけることもできる。さらにスマートホーム家電を外出先から操作することも可能。筆者は自室にEcho(第4世代)+Nature Remoを設置してスマートホーム環境(といっても操作できるのは照明とエアコンだけ)を構築しており、外出中に消し忘れた部屋の照明を消したり、帰る直前にエアコンを起動して部屋を暖めたりといった操作を、アプリを立ち上げることなく、声だけで操作できた。Echoデバイスを中心にスマートホーム環境を構築している場合は、かなり便利な機能だろう。そのほか、天気やニュースの確認、4,000以上配信されているAlexaスキルも利用可能。通勤途中に「ながら日経」で日本経済新聞が配信するコンテンツを聴いたり、ナビタイムジャパンの「乗り換えナビタイム」で乗り換え経路、所要時間を調べたりもできる。■ 1万円台とは思えない高音質。“ながら聴き”に最適今回はiPhone 13 Proとペアリングして、Apple Musicで配信されている「イーグルス/Hotel California」や「エド・シーラン/Shivers」、「YOASOBI/三原色」、「Aimer/残響散歌」などを聴いてみた。音の傾向としては、どの帯域もバランスよく鳴る印象。控えめながら低音もしっかり出ており、本格的に音楽を楽しむというより、気軽に“ながら聴き”するのに最適と感じられ、1万円台で購入できる完全ワイヤレスとは思えない音質だった。Hotel Californiaでは、音の広がりもあまり広くはないものの、ドラムの低音、曲後半のギターソロが心地良い。高音が耳に刺さるようなこともなかった。全編を通してクラップが印象的な「Shivers」でも、ボーカルが際立ちつつ、軽やかなクラップを楽しめる。ベースやドラムの低音も控えめながらしっかりと響いており、サウンドの迫力は充分。三原色や残響散歌といった女性ボーカルの楽曲でも、ボーカルが耳に刺さるような感覚はなし。より高価なライバル機ほどではないものの、解像感もある。やはり適度な量感で低音が鳴るので、気持ちよく音楽を楽しめた。今回発売されたEcho Buds(第2世代)は、手の届きやすい価格ながら、音質とANC性能、Alexaによるスマート機能などが高いレベルで両立されていた。初めての完全ワイヤレスや買い替えはもちろん、家族や友人へのプレゼントなどにも最適と言えそうだ。

AV Watch,酒井隆文