• 05/06/2022
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Windows 11は、Microsoftが「本当はこうしたかった」を実現したもの

新しいWindows 11はどう?

米Gizmodo記者Sam Rutherford氏にによる所感をお届けします。


6月24日、Microsoft(マイクロソフト)はWindows 11を発表しました。いくつかの問題点(特に、Androidアプリケーションの統合の処理)はありますが、Windows 11は、Microsoftが「本当はこうしたかった」ことを実現した、大刷新なのではないかと思います。

アプリのウィンドウの角が丸くなったり、タスクバーが中央に配置されていたり(従来どおり左寄せに戻すこともできます)、全体的に洗練されたミニマルなUIに刷新されたり、Windows 11は、他のモダンOS(つまりmacOSやAndroid)のUIデザインに寄ってきた印象がありますね。このWindows 11のビジュアル刷新の方向性は、なんか怖いと感じる人もいるかもしれませんが、個人的にはこの変化は応援したいところです。だってWindowsの再出発の兆しだと思うから。

Windows 10の最大の強みでもあり最大の弱みは、後方互換性です。何百万ものハードウェア構成、そしてPCデザインは日々進化しているにも関わらず、Microsoftは、今も10年前のWindows用に開発されたアプリケーションが完璧に動作するように模範的に取り組んでくれています。もし動作しなくても、だいたいの場合はちょっとした調整で解決することがほとんどです。

しかしながらこれまで、WindowsはWindows 95からWindows 98、Windows 2000、Windows XP、そしてそれ以降も新しいバージョンへと、長い歴史の中でアップグレードを繰り返してきたため、Windows 10のルック&フィールは、古き良きWindowsの名残が垣間見られる…つまりモダンなユーザーインターフェースの作り込みが足りないと思っていました。例えば、ライブタイルはもともとはWindows モバイルで導入されたものですが、Windows 8でメトロデザインを採用した後に導入されています。

Windows 11は、Microsoftが「本当はこうしたかった」を実現したもの

Windows 10には、同じような機能の設定メニューが数多くあります。Windows 10らしい、すっきりとしたモダンなデザインのものもあれば、Windows XPからそのまま移植されたようなものもあります。(「デバイスマネージャー」や「詳細電源設定」のような項目にまで踏み込むと、かなりひどいことになります)Windows タブレットモードのような、Windows 8(2012年まで遡る…!)から引き継がれた機能はもう時代遅れに感じますね。

マイクロソフトは、Windows 11で、これらの課題に対処すると同時に、OS全体で一貫したデザインを実現する大きな機会としました。これはマイナーアップグレードのように見えますが、大きな効果をもたらすポテンシャルがあります。

より一貫性のあるデザインとユーザーエクスペリエンスが実装されているプラットフォームに対して、人々は自信を持つことができます。外部ディスプレイに接続・切断をしても、ウィンドウは本来あるべき場所を覚えてくれるように。

Windows 11では、スナップレイアウトが追加され、自分好みのデスクトップの配置を簡単につくることができるようになりました。仕事用、プライベート用、ゲーム用など、用途別にパーソナライズされたデスクトップを作成できるようになり、ちょっとしたことかもしれませんが、毎回デスクトップを再設定する必要がなくなり、簡単に切り替えることができます。

さらにWindows 10のタブレットモードを廃止して、シンプルな汎用性の高いレイアウト(アイコン間のスペースが追加)にすることで、Microsoftはあらゆる種類のデバイスでより一貫したユーザーエクスペリエンスを実現しました。Windows 11では、タッチパッドとタッチスクリーンのどちらを使用しているかにかかわらず、同じ一連のジェスチャーをサポートしています。Windows 11の新しいタッチキーボードは大きな進歩を遂げています。

Windows 11の新しいスタートメニューは、Windows 10のようにゴチャゴチャしていませんが、Androidのランチャーのように見えるので、慎重に判断したいですが、基本的に楽観的に考えています。

スタートメニューと検索バーをタスクバー上にそれぞれ別のアイコンとして分割することで、その人がよく使う20〜30のアプリへ素早くアクセスできるようになる一方、(たとえ数秒余分な入力の手間があるとしても)使用頻度の低いアプリを簡単に見つけることができるようになっています。また、定期的にノートパソコンを工場出荷状態までリセットしないといけない人にとっては、Windowsマシンの初期設定からコルタナが消えたことは「神アプデ」に感じると思います。

しかしながら、Windows 11の新機能のうち、Amazon Appstoreとの統合によるAndroidアプリのサポートの追加ついては懸念を感じています。GoogleではなくAmazonとのパートナーシップは、特にChromebookのGoogle Play Storeとのネイティブな統合と比較すると、微妙な回避方法だと思いました。

また、Windows ストア(厳密には Microsoft Store)も刷新されていますが、UIは新しく洗練されたものの、Google Play Store や Apple App Storeと比較して、利用できるアプリが少ないという課題にはあまり対応されていません。また、TeamsやOneDriveとの統合が追加されましたが、AppleのiOS/macOS連携、Androidでも同様のことをしているので、驚くほどのものではありません。

Xboxとの連携が強化されたことは、ゲームをしたり友達とプレイしたりすることがこれまで以上に簡単になるので、ゲーマーにとっては嬉しいアップデートです。ゲームのオートHDRサポートは嬉しいですが、私はMicrosoftが、WIndows 11で高リフレッシュレートのモニターの処理にも対処してくれることを期待しています。というのも、高価で素敵なモニターを購入したにも関わらず、セットアップしてから数ヶ月、なんなら数年の間、60Hzでディスプレイを動作させられていたという人の話を何度も聞いてきたからです。

まだWindows 11を実際に使う機会はまだ得ていませんが、フレキシブルディスプレイやデュアルスクリーンのノートPCなど、今後登場する新しいカテゴリーのデバイスが登場してくることを考えると、Windows 11は、MicrosoftがWindows 10Xから学んだことを、古いPC、新しいPC、そしてまだ発明すらされていないPCのための新しい基盤づくりをしているように感じられます。たとえWindows 11がWindows 10の単なる改良版のように見えるかもしれませんが、それは少し違います。史上最後のWindowsとなるはずだった製品の新バージョンを発表するのに十分な理由となるでしょう。