• 26/02/2023
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Macの外付けモニターはこれがいいのでは。高品質で高機能な「BenQ PD2705U」

PCで見る「あらゆるモノの解像度」が上がれば、クオリティも上がる。

台湾を拠点とする電気製品メーカーのBenQ(ベンキュー)から、新しいPC用モニター「PD2705U」が発売されました。BenQのモニターといえば、お値打ちなものからプロ向けスペックの本格的なものまで、幅広いラインナップが充実しています。

「PD2705U」は、色の正確性にこだわったデザイナーズモニター。工場出荷時に1台1台キャリブレーション(見え方がみな同じになるよう調整)されており、sRGBとRec.709の色空間を99%カバーしています。写真編集や動画制作、イラスト制作のように、色の表現にコダワリたい人向けのモニターなんですが…そんな話を聞くと「自分はそこまで本格的にやってないからなぁ」と他人事のようになりがち。それもそうで、モニターの色が正確だと何がいいんでしょう? よくわからなくないですか。

そこで今回はPD2705Uの想定ユーザーであるデザイナーに使ってみてもらい、どういいのか教えてもらいました。ほかの人が見ることを考えてデザインするとなるとPD2705Uのような高品質なモニターが必要になるそうですよ!

デザイナー=「他人の目」になる仕事

岩﨑祐貴(いわさき・ゆうき)

Webサイト・アプリUI・ロゴ・印刷物といった、多種多様なデザインを手がけるビジュアルデザイナー。企業の製品・サービスや組織のデザインを総合的に支援する、株式会社インフォバーンのデザイン部門「IDL[INFOBAHN DESIGN LAB.]」所属。

──岩﨑さんは、日頃はどのような仕事をしているのでしょうか?

岩﨑:企業の新規事業開発のお手伝いや、サービスやプロダクトのユーザー体験の開発、それにあたってのデザイン・リサーチなどを担当しています。元々アプリやWebサイト、書籍などを作っていた経験もあるので、工程上必要となるグラフィックやビジュアルの起こしなどもやっています。Adobe Illustratorを使っての絵作りなどですね。

──デザインやデザイナーと聞くと、何かを描いたり作ったりするイメージがあるのですが、それだけではないのですね。

岩﨑:はい。広義の意味でのデザインといいますか、「そもそも何の目的のためにどのようなものが必要なのか?」というところからデザインをしています。

──どんなことを意識してデザインを行なわれているのですか?

岩﨑:あえて一言で言うなら、本質を表現すること、です。デザイナーは抽象と具体を行き来しながらイメージを形作っていきます。対象物にグっと寄ってみたり、反対に引いてみたり、いろいろな方向から物事のかたちを見て作っていくことが重要かなと。ビジュアルデザインでは「他人の目」になることが大事と言われたりするのですが、自分だけの主観にならないよう考慮しています。

「見る人の環境」を踏まえてデザインしたい

──デザインにおいて色はどのような役割を果たすのでしょうか?

岩﨑:色はかなり直感的な要素です。小さな子どもであっても「あの看板は赤いね」とわかります。情報としてとても強いんです。だからこそ、きちんと取り扱わないといけません。自分の頭にある色のイメージが正確にシミュレーションできる環境が必要になります。

実は、完成したイメージに触れる人たちが使っているPCやスマホ、実際に手に取る印刷物と、制作時のイメージを完全に一致させるのは難しいです。モニターはメーカー・製品ごとに色の再現の仕方が異なり、印刷物も繊細な作業のもとに色を調整しています。そのため、デザインするにあたっては「こういう環境で見られるものだからこうしたほうが良いよね」といった部分も踏まえて行ないます。

──そこまでシビアにシミュレーションしているとなると、モニターの性能はかなり重要なのでは?

岩﨑:そうですね。シミュレーションの正確性もそうですけど、僕の場合は自分がデザインする上で使うモニターの性能が良いと、単純にテンションが上がります(笑)。

色が正確なBenQ PD2705Uが刺さった理由

──今回はPD2705Uを使ってみていただきましたが、いかがでしたか?

岩﨑:まず綺麗なモニターは見ていて気持ちが良いです。もちろん気分だけではなく、正しく色が見えているというのは、デザインにおいてとてもありがたい要素です。

写真の補正などを行なう際に有利

──PCモニターのスペックというと、解像度や輝度、それからリフレッシュレートなどが語られがちだと思うのですが、色が良いとどういったシーンで恩恵を受けるのでしょうか?

岩﨑:たとえば写真の場合ですと、階調や色調など、表現そのものの幅が広くなるので、より写真が綺麗に見えます。一般的な用途を想定したモニターで見ると白が飛んでたり黒が潰れてたりする写真でも、印刷してみるとその部分の階調が残ってたりすることがあります。要するに、モニターの階調が追いついていないんです。

PD2705Uのように階調の幅が広いモニターを使っている=正しくものが見えているので、正しい判断ができるということにもなります。

Macの外付けモニターはこれがいいのでは。高品質で高機能な「BenQ PD2705U」

写真の場合、どんな風に補正するかを考える前に、正しい色が見えていることが重要なので、正確な色を映せるモニターはこうした点で有利といえますね。印刷する場合は特に。

──なるほど。ゲーミングモニターの高いリフレッシュレートがゲーム内の動きを素早く描写してくれるように、幅広い階調を表示できるPD2705Uのようなモニターはわずかな色や輝度の変化も見逃さない、ということなんですね。

岩﨑:そうなりますね。良いモニターは自分自身の目の解像度を上げてくれるので、モニターにも注意を払うべきかなと思います。

制作物の全体が見やすく、作業スペースも広くとれる

──今回のPD2705Uは、4K UHDの解像度を誇ります。数値としては高い部類になると思うのですが、どういった感想を抱かれましたか?

岩﨑:すごく良かったですね。特にエディトリアル系や印刷系のデザインは4Kくらい解像度があると全体像が見やすいですし、先ほど話した見る人を踏まえたシミュレーションも解像度が高いほど正確になります。細いフォントもちゃんと描画できていました。

──解像度も最初にお話のあった「他人の目になる」や正確なシミュレーションに関わってくるんですね。27インチというサイズ感はどうでしょう?

岩﨑:ちょうど良いと思いました。僕は作業ツールを画面右側にズラっと並べるタイプなので、画面の1/3くらいがツールで埋まっちゃうんですよ。画面が広かったり解像度が高いと、ツールを並べてもワークスペースが確保できて助かりますね。

あと、これはMacと接続していたからというのもありますが、4Kではなくあえて3K解像度(3008×1692)に設定すると、アートボード原寸がA4紙と一致するんですよ。

──おお、これなら紙全体に対しての文字の割合や、全体の印象がとても把握しやすいですね。フライヤーやパンフレットなどの紙モノをデザインする人は、あえて3Kにする使い方も便利かもしれない。

岩﨑:ロゴを作るときに「同じ印象にならないよう微妙に色を変えた案」をいくつも出すのですが、色が正確に出てくれると複数のパターンの中でどれがいちばんいいかを検討もしやすいです。プリント時の色も正確に表現してくれて色校正がしやすいのは良いですね。

USB-Cハブも兼ねちゃう

──BenQ PD2705Uは、USB Type-C接続で給電と出力が可能です。本体の取り回しはいかがでしたか?

岩﨑:便利ですね。自分はMacBook Proを主に使っているのですが、USB-C端子しかないモデルです。PD2705Uは別途HDMIポートやUSBハブを用意せずともつなげられるので、ケーブルが少なくなって助かりました。というか、PD2705U本体にもUSB端子がいくつかあるのでUSBハブとしても使えるんですよね。

多機能で使い勝手も良し

──PD2705Uはデスクトップを分割できたり、縦向きにしたときに自動で表示を合わせてくれたりと多機能です。こういった機能はデザイナー目線でどのように役立ったか教えてください。

岩﨑:まずBenQのモニター制御ソフトウェア「Display Pilot」を使ってのデスクトップ分割ですが、僕の場合はSlackやメールを横に開きつつAdobeのソフトを操作するような使い方が便利でした。ウィンドウをポンポンと置くだけで自動的に配置できます。

縦向きにしてもいい

──使いやすい機能ですね。デザイナーでなくとも複数のアプリを同時に立ち上げてる人だと便利そうです。縦向きにしたときに画面表示を自動で切り替えてくれる機能もあるのですが、いかがでしたか?

岩﨑:Webサイトは縦にスクロールしていくようにデザインするので、縦画面のほうが確認しやすいです。上半分でコーティングしつつ下にプレビューを出して作業するので簡単に縦表示に切り替えられるのはいいですね。

──カラーモード(色味)を細かく切り替えられますが、デザイナー目線だとやっぱり便利なんでしょうか?

岩﨑:自分はかなり切り替えるんですよね。印刷プレビューで見たりRGBで見たり、設定を変えていろいろな見え方をチェックするときに便利です。

専用OSDコントローラーで表示設定をさくっと変えられる

──先ほどから付属の専用OSDコントローラー「ホットキーパックG2」で小まめに変えられてましたね。

岩﨑:僕はAdobe Illustratorでロゴを作るとき、画面の色をグレーにしてコントラストを見るのですが、ホットキーパックG2に割り当ててすぐ変えられるようにしていました。輝度が抑え目になる暗室モードもあって、これはLightroomを使う場合にいいでしょう。

あと、MacBookの色味に合わせるM-bookモードがあるんですが、母艦に使っているMacBookとワンタッチで同じ見え方になるのが手軽で良かったです。M-bookモードは普段使いに向きますね。

マルチPC環境で生きる機能がある

──PD2705Uには、2台のPCを1セットのキーボード・マウスで操作できる「キーボードビデオマウススイッチ」という機能があります。使い方がぱっとは思いつかないのですが、これはどんな風に使うものなんですか?

岩﨑:一番わかりやすいのは、MacとWindowsの2台使いかなと思います。2台で1つのモニターを共有すればソフトが変わってもモニターの見え方が変わらないので、視覚的にブレることがないです。Windowsで3Dソフトを触って、モデリングしたデータをMacのUnityで動かす、といった状況の切り替えもしやすいですね。他にもPCが2台あることを活かして、片方でレンダリングやエンコードなどの重い処理をさせつつ、もう片方で普段の作業をする、なんて使い方も良いかなと。

──なるほど。もう1つ、2台のPCの画面を同時に出力できる「PBPモード」という機能もありますよね。これはかなり高度な機能な気がしたのですが。

岩﨑:これは2人で同時に作業する時用かなと思います。1台のモニターに集約することでスペースを節約しつつ、色を合わせる作業ができるんじゃないでしょうか。

──デザイナーズモニターと銘打っていますが、普段から使うPCモニターとしてみると使い心地はいかがでしたか?

岩﨑:USB端子が多く、ケーブルやアクセサリを減らせて省スペースにもつながるのでリモートワーク用としてもいいなと。モニター本体にスピーカーも内蔵してるので、外部スピーカーもなしでOKです。

デザイン面ではベゼルにロゴが無いのが良いなと思いました。あって困るものでもないんですけど、視覚的にノイジーに感じることもあるんですよね。ロゴがないことですっきりと使えるかなと。

ステップアップしたいクリエイティブな人と噛み合うモニター

「色が良い」って、どこか抽象的でイメージしづらかったのですが、「作ったビジュアルは自分とは異なる環境で見られる」を踏まえて作っている岩﨑さんの言葉を聞いたら、何かを作るとなると大事な要素なのだなと。モニターそのものの表現の幅が広がることで僕たちの目の解像度もアップするという感じなのかなと思ったら、PD2705Uがすごく欲しくなってきました。

Macとの相性がいろんな意味で良さそうな印象も受けました。最近のMacはM1を搭載して有り余るほどのパワーを備えているのでPhotoshopやLightroom、Premiere ProやIllustratorを使ってあれこれ作りたくもなってきます。PD2705Uはメーカー市場想定価格89,000円前後ほど、クリエイティブユースと普段使いをうまい感じで兼ねる性能であり、プロアマ問わず現実的で有力な選択肢なのではないかと。M-bookモードもありますしね。ワンサイズ大きい31.5インチ版「PD3205U」もあるので、さらに広いキャンバスを求める人はそちらもアリでしょう。

解像度やリフレッシュレートのようなわかりやすいスペックではなく、色にこだわったモニター。クリエイティブな趣味を楽しんでいる人ならば、文字通り見える世界が変わるモニターとなるはずです。

Photo: 小原啓樹Source: BenQ

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