「保守票が逃げた」って本当? 共産党と連携、データでみる真相 野党の勝利に必要な〝当たり前〟の条件
2012年12月の衆院選で日の丸の旗が林立する中、有権者に最後の訴えをする自民党の安倍晋三氏=2012年12月15日、東京都千代田区
共産党との連携によって保守票が逃げた――。昨年の衆院選後、立憲民主党内であがった声です。「野党共闘」という言葉は、旗色が悪くなっていますが、共産票も保守票もうまく取り込んだ候補者が選挙戦を制していました。通常国会が始まり、あと半年あまりで参院選。野党が勝つための「必勝」パターンを考えてみました。(朝日新聞記者・北見英城)【写真】まさかの落選……その結果を聞いた直後、辻元清美さん表情
立憲幹部「保守票が逃げた」
私は昨年11月末まで政治部で立憲民主党など野党を取材していました。党幹部を取材していると、衆院選の結果を受けて野党共闘の見直し論をよく耳にしました。「これまで保守票をとっていた立憲の候補から、その票が逃げた」。江田憲司代表代行(当時)は朝日新聞の取材に対して、そうこぼしていました。今回の選挙戦を通じて、自民党は全国的に「立憲共産党」などと、共産党と選挙協力した立憲への批判を展開しました。江田氏は、その批判が自身の選挙にも影響したとみていました。江田氏の選挙区は横浜市北西部の神奈川8区。たまプラーザなどの高級住宅街を抱えた選挙区です。2017年から自民は三谷英弘氏を擁立しています。今回は共産が候補者を擁立せず、江田氏と三谷氏の一騎打ちとなりました。奇しくも2人は、かつての第三極・みんなの党の出身です。<<次ページは:1足す1は……?
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