microUSB端子のガジェット、まだ買おうとしてるの?
業界の悪いクセよ。
妻へのクリスマスプレゼントとしてKindleを買おうとしたときのこと。最上位モデルのKindle Oasisを含めて、KindleはどれもmicroUSBポートだって覚えていたんです。でも、この先5年かそれ以上もmicroUSBコードに縛られるような贈り物をするなんて、テック愛好家としてどうなんだろうと考えずにはいられませんでした。
たしかにUSB-Cへの移行はゆっくりで、ラフなものだったのは認めます。でも、ガジェットは最新なのにポートは古いなんて...って思うんです。
最新のスマホは(格安スマホを除けば)どれもUSB-Cポートを採用しています。AppleはMacBooksからiPad Proまで、すべてUSB-Cです。多くのワイヤレスイヤホンの充電もUSB-Cですし、LogitechだってmicroUSBからUSB-Cに切り替えています。
ではなぜ、いまだにmicroUSBポート採用のガジェットが作り続けられているのでしょうか? こういった質問を企業の広報に投げかけてみると、通常は「すでに多くのmicroUSB機器が出回っているから」という答えが返ってきます。でも、こうした考え方はどこか敗北主義的に聞こえます。周りに従う企業が多ければ、新しいものに切り替えることができなくなるからです。
それに、企業がUSB-Cを好まない理由には「お金がかかるから」というのもあると思っています。microUSBに比べて、USB-Cを採用すると4〜10倍の費用がかかります。デバイスごとにおおよそ15〜25セントの追加コストがかかるので、これが数十倍〜数百倍のデバイスにかけるのであれば、安価な方法を選びたくなるのかもしれません。
業界の慣行に従うかのように、古いmicroUSBポートを真新しいガジェットに配置するのはそろそろ終わりにして、時代はUSB-Cに突入すべきです。そしてうれしいことに、その兆しは少しずつ見えてきています。
Amazonは(電子書籍リーダーにはmicroUSBを使用する一方で)今年、Fire HD 10タブレットのひとつにUSB-Cを追加しています。またゲームパッド業界でも同じような動きがあって、標準のPS4やXbox OneコントローラーではmicroUSBが採用されている一方で、Microsoftは最新のXbox Eliteコントローラーシリーズ2にUSB-Cを搭載しています。ただ、価格は税込1万9778円で、標準のXbox Oneのコントローラーの約3倍なので注意が必要です。
このように選択肢が限られた状況にある今のうちは、それがどれほど必要で、どれくらいの頻度で使うものかしっかり吟味することが重要だといえそうです。
2020年には、さらに多くのデバイスでUSB-Cが標準装備となるはずです。個人的には、AmazonがKindleをはじめとする多くのデバイスにUSB-Cを搭載してくれることを期待しています。またゲーム好きな人は、来秋にソニーとMicrosoftが新しいコントローラーの販売を予定しているので、それまで待つという手もあります。
妻へのクリスマスプレゼントに関しては、思い切って心の葛藤を打ち明けてみることにしました。すると真新しいKindle(淘汰されるべきmicroUSB搭載)を手に入れるより、彼女が今使っているKindle(画面に凹みあり)を使い続けるほうが勝手が良いと言って理解してくれました。そのうちUSB-S搭載のKindleが登場しますように。