• 07/08/2022
  • Homesmartjp
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経済・IT Android「設定のショートカット」を活用する裏技

スマートフォンを使っていると、「設定」を開くことは意外と多い。ディスプレーの点灯時間や、Wi-Fiへの接続、文字入力の設定変更など、その内容は多岐にわたる。ただ、設定メニューは数が多いうえに、階層が深いものもあり、必要な項目を呼び出すのに時間がかかることも多い。Wi-FiやBluetoothのオン・オフや機内モードなど、簡易的なものは通知の上にあるクイック設定パネルのボタンで操作できるが、ここにないものも少なくない。

そんなときに活用したいのが、設定メニューへのショートカットだ。事前に必要な設定画面へのショートカットを作成しておけば、アプリ感覚でホーム画面からダイレクトにアクセスすることが可能になる。Androidには、ウィジェットとして設定のショートカットを作成できる機能があるため、これを活用しない手はない。

ただし、ウィジェットとして標準搭載されている機能で作成できるショートカットは、アクセスできる機能が限定的だ。このような場合には、ショートカット作成アプリの利用をお勧めしたい。このようなアプリを使えば、アプリの特定の画面を一発で呼び出すこともできる。ここでは、そんな設定のショートカットにまつわる裏技を紹介していきたい。なお、Androidはメーカーごとの独自実装があり、機能にも差があるため、ここではグーグル純正のスマホである「Pixel 6 Pro」を例にその手順を紹介していく。

ウィジェット設定から簡単に作れる

設定の変更は画面をタップする回数が多いこともあり、意外と手間がかかる。例えば、ディスプレーが自動で消灯するまでの時間を変えたい場合の手順は次のとおり。まず、ホーム画面か通知のクイック設定上にある歯車マークの「設定」をタップして、「ディスプレイ」を開き、「画面消灯」をタップしたあと、変更したい時間を選択する。こうして書き出すだけでも、結構な分量で手間がかかることがわかるはずだ。

使い方にもよるが、ディスプレーの点灯時間はたびたび変更することがある。筆者の場合、Pixel 6 Proのボイスレコーダーを使う際には、消灯までの時間を長くしている。ボイスレコーダーの文字起こし機能で書き出されたテキストをチェックするためだ。この場合、消灯時間は30分に設定している。一方で、30分だと通常利用には長すぎる。バッテリーを消耗する要因にもなるため、短くしておくにこしたことはない。

このようなときにやっておきたいのが、ショートカットの作成だ。

ウィジェットの「設定」をホーム画面に配置しようとすると、どの画面へのショートカットにするかを選択できる(筆者撮影)

ホーム画面上のアイコンが置かれていない場所を長押しすると、ウィジェットの選択画面が表示される。ここで「設定」のウィジェットを選び、長押ししてホーム画面に配置する。すると、設定のどの画面を開くかのメニューが表示される。ここで「ディスプレイ」を選ぶと、「設定」の「ディスプレイ」を一発で開けるショートカットが作成される。

経済・IT Android「設定のショートカット」を活用する裏技

ウィジェットから作成するショートカットだが、アイコンのサイズはアプリ1つぶんでホーム画面に配置しやすい。上記の手順で作成したショートカットをタップすると、タップ1回でディスプレー設定の画面を開くことが可能になり、画面をタップする回数が大幅に減る。ほかにも、「Wi-Fiアクセスポイント」(テザリングのこと)や「データ使用量」「着信音とバイブレーション」など、頻繁に開くメニューへのショートカットが用意されている。よく使う項目を選んで作成しておくと、設定変更が簡単になるはずだ。

アプリを使ってより深いカスタマイズも

ただし、標準搭載されているウィジェットの機能は、作成できるショートカットの種類が限定されている。一例を挙げると、Wi-Fiやモバイルデータ通信などの設定を行う「ネットワークとインターネット」の画面は出すことはできるが、その中にあるデータ通信量を抑えるための「データセーバー」へのショートカットは作れない。「ネットワークとインターネット」のメニューをワンタップすれば済む話ではあるが、利用頻度が高い場合はダイレクトに表示されたほうがうれしいはずだ。

このようなときには、ショートカットを作成するアプリを使うといい。筆者がお勧めしたいのは、「Shortcut Maker」という無料アプリだ。このアプリは、多彩なショートカットを作成するためのもので、標準機能ではアクセスできない画面を直接開くことができる。上記のように、データセーバーを直接開きたいときの手順は次のとおりだ。

まず、Shortcut Makerを起動したら「設定」をタップする。次に、「設定アクティビティ」を選択する。アクティビティとは、Androidのアプリの画面を意味する言葉だ。つまり、設定アクティビティとは、設定内それぞれの画面ということになる。設定のさまざまなアクティビティが表示されるため、数は非常に多いが、目的がはっきりしているときには、検索を活用しよう。ここでは、「データセーバー」と入力した。

すると、データセーバーのアクティビティが1件ヒットするので、これをタップする。

Shortcut Makerなどのアプリを使うと、標準の機能にはない画面へのショートカットを作成できる(筆者撮影)

このアクティビティが本当にデータセーバーなのかどうかは、次の画面で「このショートカットを試す」をタップするといい。正しいアクティビティだった場合、画面下の「ショートカットを作成」をタップすると、ホーム画面にアイコンが作成される。ちなみに、作成時にアイコンを自分で作成したものなどに変更することも可能だ。

データセーバーはあくまで一例だが、「設定アクティビティ」内にはさまざまな項目が用意されている。筆者は、デュアルSIMの端末でデータ通信に使うSIMカードを切り替える画面を表示させる際に、Shortcut Makerを使ってショートカットを作っていた。工夫次第で、よく使う機能をワンタップで呼び出せるようになるため、ぜひ活用してみたい。ただし、画面によっては表示できないものもある。アプリとはいえ、万能ではない点には注意したい。

アプリの特定機能を一発で開くこともできる

Shortcut Makerを使うと、設定メニュー以外へのショートカットを作成することもできる。アプリもその1つだ。アプリは起動時の画面が決まっていることが多く、カメラアプリなら静止画撮影、Gmailならメールボックスといった形で固定されている。カメラアプリでいきなり動画を撮ったり、Gmailでメール作成の画面を出したりといったことはできない。

このようなときにも、先に紹介したShortcut Makerを活用できる。カメラアプリで最初から動画撮影の画面を出したときには、Shortcut Makerを開いて「アクティビティ」を選択。カメラの項目を開くと、9つのアクティビティが表示される。この中の「動画」が、動画撮影の画面になる。このショートカットを先ほどと同じ手順で作成し、ホーム画面にアイコンを置くと、タップするだけですぐに動画撮影を始めることができる。

アプリ内の特定の画面を一発で開くことも可能に。よく使う機能の場合は、ショートカットを作っておくといい(筆者撮影)

カメラアイコンが2つになるが、静止画を撮りたいときは通常のカメラアプリアイコン、動画を撮りたいときにはショートカットのアイコンをタップするだけになり、切り替えの手間が省けてすぐに撮影を始めることができる。

Gmailも同様の手順でショートカットを作成可能。ただし、アクティビティの名前がすべてGmailになっているため、一覧の中から「com.google.android.gm.ComposeActivityGmailExternal」と書かれているものを選択しよう。

ほかにも、ダウンロードやユーザー自身で作成したファイルへのショートカットを作れたり、あらかじめ指定したアプリを2つ同時に起動して、画面を分割したりと、Shortcut Makerでは、さまざまな操作を簡略化できる。Androidのシステムに関わるアプリで、設定は少々複雑だが、覚えておけば操作を簡略化するのに役立つ。カスタマイズの幅が広いのはAndroidの魅力。試行錯誤しながら、自分なりのショートカットを作ってみることをお勧めしたい。