Googleにスマートスピーカーの仕様変更を余儀なくさせたSonos社の特許を解説する(2)
間が開いてしまってすみません、「Googleにスマートスピーカーの仕様変更を余儀なくさせたSonos社の特許を解説する(1)」の続きです。SonosとGoogleの特許権侵害に関するざっくりした内容を無料でご覧になりたい方は、まず1回目の記事を参照してください。
今回は、US9,195,258 について見ていきます。発明の名称は、”System and method for synchronizing operations among a plurality of independently clocked digital data processing devices”、実効出願日(優先日)は、2003年7月28日です。登録日は、2015年11月24日です。
基本的アイデアはネットワークで接続された複数のネットワーク・スピーカーの再生を同期させることです。たとえば、家庭やオフィスに複数のネットワーク・スピーカーを設置してBGMを流すようなユースケースです。何の手立ても取らないと再生タイミングが微妙にずれてエコーやフランジャーが発生してしまいますが、それを避けるための発明です。2003年当時ではこのようなアイデア自体が斬新であったようで、かなり広範囲で権利化できています。
なお、この特許はSonos社の基本特許のようであり、日本でもいくつかのファミリー出願が特許化されています(発明のポイントは同じですが、クレームの構成は微妙に違います)ので、日本でこの種の製品を販売している企業は気にしておいた方がよいかもしれません(もうライセンス契約を締結しているのかもしれませんが)。なお、日本の特許を検索する際は、Sonosの日本語表記は「ソノス」ではなく「ソノズ」である点にご注意下さい。
請求項1の内容は以下のとおりです。