ワッツアップ、インド政府を提訴 新規制撤回求める=関係筋
ロイター編集
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[25日 ロイター] - 米フェイスブック傘下で対話アプリを運営するワッツアップが、25日から施行される政府規制の差し止めを求めてニューデリーの高等裁判所に訴訟を提起したことが、関係筋の話で分かった。
新規制では、当局の求めに応じてソーシャルメディア企業が「最初の情報発信者」を特定する必要がある。同筋によるとワッツアップは、これが憲法が定めるプライバシー権の侵害に当たると訴えている。
この規制は、不正行為を働いた疑いが濃厚な人物のみを特定するとしているが、ワッツアップ側は実際にはそれだけを行うことは不可能と反論。メッセージには相互間で暗号化が施されているため、規制に従うにはメッセージの発信者だけでなく受信者に対しても暗号化を解除する必要があると指摘している。
ロイターはワッツアップが訴状を提出したことや、裁判所による審査がいつ行われるかを確認できなかった。
ワッツアップのコメントは得られていない。
インド電子・情報技術省が公表した新規制には、大手ソーシャルメディア企業に対し、インド国籍を持つ人物をコンプライアンスに関する重要な役職に任命すること、法的命令を受けてから36時間以内にコンテンツを削除すること、苦情に対応する仕組みを構築することなどが盛り込まれている。規制を順守しない場合には、訴訟や刑事訴追からの保護を失うと定めている。
インド政府と大手ハイテク企業との緊張が高まる中、施行90日前となる2月に公表されて以来、各社の対応に注目が集まっていた。
ワッツアップの親会社であるフェイスブックは、ほとんどの条項に同意しているものの、いくつかの点については交渉を続けている。
業界の一部では、このような異議申し立てが審理されている間、新規制の導入は遅れると期待する向きもある。
関係者によるとワッツアップの申し立ては、2017年にインドの最高裁が下したプライバシーを支持する判例を引用している。この判決では、合法性、必要性、比例性の全てが優先される場合を除き、プライバシーは守られなければならないとの判断が示された。
ワッツアップは、新規制が議会の承認を得ておらず、これら3条件の全てを満たしていない点を争っている。専門家もワッツアップの主張を支持している。
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