『ウマ娘』は「iPhone 6」で起動する？推奨端末更新に向け、非推奨（どころではない）端末で挑戦

（写真：インサイド）

TVアニメや漫画など多彩な広がりを見せる「ウマ娘プロジェクト」。このマルチメディア展開はゲーム市場にも広がりを見せ、育成シミュレーションゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』（以下、ウマ娘）が、2021年2月24日に正式リリースを果たしました。【画像】暗転の末に訪れる「iPhone 6」ホーム画面。たづなさんには、会えるのか！？本作の大ヒットぶりは最早語るまでもなく、もうじき迎える1周年で更なる活気を見せてくれることでしょう。ですが、ひとつ気がかりな点として、2022年2月24日に一部の端末が非推奨になります。既に告知済みなのでご存じの方も多いことと思いますが、初耳という方はあらかじめチェックしておきましょう。今回の更新で非推奨となる変更端末について、公式サイトは「即座に利用できなくなることはございません」と明記しており、該当ユーザーであってもすぐに機種変更を求められるわけではありません。ですが、「今後はサポートの対象外」「アップデートによって、アプリが正常に動作しなくなる可能性がある」といったアナウンスも入っており、『ウマ娘』をプレイし続けるにはいずれかのタイミングで乗り換える必要がありそうです。果たしていつ遊べなくなるのか、その時は起動そのものが出来なくなってしまうのか。どんな事態になるのかはまだ分かりません。ですが、将来起こり得る可能性を検討すべく、非推奨端末に『ウマ娘』をインストールし、その実態をレポートしたいと思います。あくまで現状における一例なので、今回の結果が将来訪れる状況を保証するものではありませんが、「こんなことになるかもしれない」という警鐘を兼ね、その一部始終をお届けします。■そもそもなぜ、推奨/非推奨が更新されるの？ユーザーの視点からすれば、昨日まで問題なく遊んでいたのに、明日からサポート対象外になり、もうプレイできなくなるかもしれない……といった事態に陥るのは、決して嬉しい話ではありません。各ソフトメーカー側も、より多くの人に遊んで欲しいと思っており、プレイ環境を狭めること自体は決して本意ではないはず。ですが、『ウマ娘』を含めた基本無料のゲームは、何年にもわたって提供されることが多く、開発側もその見通しを立ててコンテンツを作り続けます。ゲーム業界の発展は日進月歩。技術面は言うに及ばず、時流を見据えた展開なども欠かせません。当初用意したコンテンツだけでは、舌が肥えたユーザーを満足させ続けるのは至難の業。続々と登場する新たなゲームと張り合うためにも、長期運営型のゲームは更なる進化や新コンテンツの実装などを行う必要に迫られます。そして、ゲームとしての進化を目指したり、新コンテンツを作り続ける上で、性能の低い端末は残念ながら足枷になってしまいます。そうした端末でも十分に楽しめる内容にすると、リッチな表現や演出、新機能を盛り込んだ遊びなどを提供しにくくなり、他のゲームに後れを取ります。また推奨環境の更新は、開発や運営側だけが得をする話ではありません。十分な性能のスマホを持っているユーザーにとっては、その性能を遺憾なく発揮してくれるゲームを作ってもらえる方が、よりよりプレイ体験に繋がりやすくなります。現状使われている全てのスマホでのプレイを保証すると、ゲーム自体の面白さがかなり制限されるのは必至。かといって、一部の高性能スマホのユーザーだけが遊べるゲームは多くの不満が出るでしょうし、一握りの人しか遊べないゲームは開発・運営にとっても望む事態ではないはず。そのため、ユーザーが使用する端末の傾向などを確認し、出来るだけ多くの方が持つ機種に対応しつつ、その上で追加要素に合わせた推奨環境の引き上げを行う──こうした綱渡りのような見極めを多くの長期運営型ゲームが行っており、今回の『ウマ娘』もそのひとつです。異論や不満を持つ方が多いのも事実ですが、それぞれが苦渋の判断の上で行っていると思うので、推奨端末の更新は一概にいいとも悪いとも言えない難しい話です。ちなみに、対応する端末の更新はスマホ向けゲームに多い展開ですが、コンシューマでも決してあり得ない事態ではありません。例えば、2012年に始まった『ドラゴンクエストX オンライン』は、当初Wii向けに展開していました。そして、Wii U版やPC版など対応機種が増えていきましたが、一方Wiiでのプレイ環境は2017年11月15日に終了。アカウントの移行でプレイ自体は継続できますが、Wii版『ドラゴンクエストX オンライン』のプレイは不可能になりました。端末や機器が発展すると、ゲームの面白さが広がり、対応端末の更新も行われる。ある意味では表裏一体とも言え、悩ましいところです。■『ウマ娘』は「iPhone 6」で起動するのか？ そもそもインストールできるの？2月24日に実施される『ウマ娘』の推奨/非推奨端末の更新は、多数の機種が対象になっています。特にAndroidは多岐に渡りますが、ひとつの目安にしやすいのは「iPhone 8」（iPhone 8 PlusやiPad (第6世代)も）の非推奨化でしょう。前述の通り即遊べなくなるわけではありませんが、発売当時に一世を風靡した「iPhone 8」の非推奨入りを見ると、時代の流れを否応なく感じます。ちなみに2017年発売なので、あと半年もすれば5周年。後輩にその道を譲るのも納得する歩みの長さです。「iPhone 8」で『ウマ娘』がプレイできなくなる日が来るのか、来るとしたらいつなのか、それはまだ分かりません。ですが、実際どのようになってしまうのか、その可能性のひとつとして、現状の非推奨端末でのインストールや起動状況を調べてみたいと思います。今回選んだのは、「iPhone 7」……ではなく「iPhone 6」。中途半端に古いよりも、更に遡った方が結果が明確だろうと考え、「iPhone 6」に白羽の矢を立てました。世間を賑わせたという点では、この「iPhone 6」も相当なもの。果たして、発売から7年以上経つスマホで、『ウマ娘』は起動するのでしょうか。早速インストール……と言いたいところですが、その前に本体のバージョンをチェック。Appleからのアップデートも途絶えて久しいものの、「ソフトウェアは最新です」と改めて確認完了。「12.5.5」というバージョンが泣かせます。そもそも『ウマ娘』インストールすることが出来るのか、実はその点も気がかりでしたが、問題なくストアからダウンロードでき、アプリも無事に起動。アプリ内でのダウンロードまでこぎ着けました。ですが、そのダウンロードはまず最初の一歩。チュートリアルを進めながら、更なるデータのダウンロード（しかも5G越え）をバックグラウンドで行います。そんな重い処理をして、「iPhone 6」は大丈夫なのか……？ ちょっと一抹の不安が。オープニング開始までのダウンロードは順調に進み、バックグラウンドでは追加データの数字が少しずつ上昇中。頑張れ「iPhone 6」。すると画面が切り替わり、オープニングシーンが開幕！ 『ウマ娘』の挙動としては単にゲームが始まっただけですが、「iPhone 6」という点を踏まえると、妙な感慨深ささえ覚えます。このまま進めば、次はたづなさんの登場だ……。ですが、次の場面への切り替えで、暗転からのアプリ終了！ 残念ながら『ウマ娘』が落ちました。正確には、「iPhone 6」が耐えきれなかったと言うべきでしょうか。とはいえ、インストールすら出来ない可能性もありましたし、むしろ起動したことが驚きでした。最先端ではないスマホでも、あれだけ多くのウマ娘たちが動くレースシーンを描写できていると、リリース当初から話題になっていた『ウマ娘』。まさか「iPhone 6」でも起動するとは……その実力を垣間見た思いです。だからこそ、この1回だけでは終われません。更なる先を求めて再起動！バックグラウンドで行っているダウンロードの数字が、わずかながら順調に伸びています。よーしいいぞ、このまま行けば……。そして、また画面切り替え。ですが、そこで落ちることなく、次のシーンに！ 「？？？」から新人トレーナーを呼びかける声……待ってました、あなたの名は！？直後、アプリが落ちて「iPhone 6」のホーム画面に到着。あれ、おかしいな……レース場にいたはずなのに……ここには、誰もいない……。落ちてしまったものの、ちょとした手応えを感じたので、ここでひとつ考えを改めることにします。バックグラウンドでダウンロードしつつ先に進むのは、流石に荷が重すぎるに違いありません。まずは一通り終わるのを見計らってから、念願の彼女に会いに行きましょう。途中でバッテリー残量が少なくなるピンチもありましたが、ダウンロードと平行して充電も開始。念願のシーンに挑むべく、万全の体勢を整えます。『ウマ娘』のオープニングに、これだけの熱量と時間をかけたのは初めてです。ダウンロードも終わり、充電も当面分はOK。そして再び、「？？？」からの呼びかけです。さあ、この次だ！おおお、乗り越えた！ 「iPhone 6」が限界（？）を越え、たづなさんと無事に出会いました！ いや待て、名前はまだ出てない……そこまで持ってくれるのか？ああ！ たづなさんのアップと自己紹介！ よくやった「iPhone 6」、あなたは出来る子！手強い壁を乗り越えた「iPhone 6」を祝福するかのように（思い込み）、ファンファーレを告げるたづなさん。嗚呼、ここまでの全てにありがとう！そして、さらば。……三度、暗転からのホーム画面……。ここが、ウチの「iPhone 6」の限界のようです。ホーム画面に辿り着くことは叶わずでした。ちなみに、ここまで紹介した下りは、少し前に挑んだ時の話。今回記事を用意するタイミングで、検証を兼ねてもう一度試してみましたが、前回手こずったレース場への暗転でホーム画面送り。その直前に見た、銅像越しの朝日が実に眩しかったです……。なお、落ちた後にもう一度起動したところ、そこには「1st Anniversary」のロゴが。プレイこそできませんが、非推奨（どころではない）端末なので、こうした反映を直接見られるだけでも僥倖モノでしょう。「iPhone 8」を始めとする端末が非推奨になり、起動やプレイが今後どのようになるのか。それは、実際に変化が訪れるまで分かりません。ですが、プレイがままならなくなる未来も十分あり得ます。今回調べた「iPhone 6」のような状況になってからでは、取り返しがつかないかもしれません。その時がいつ訪れてもいいよう、今のうちにアカウント連携を済ませ、機種変更を視野に入れておくのがお勧めです。『ウマ娘』はPC版もあるので、環境を満たすPCをお持ちの方は、一時的にそちらへ移行する手もあります。「いつか・もしかしたら」に備えながら、来るべき『ウマ娘』1周年を楽しみましょう。【PC版『ウマ娘 プリティーダービー』 動作環境】・OS バージョン：Windows 8.1 / 10　(64bit) / 11・プロセッサ：Core i3-4360/AMD A8-7650K 同等以上・メモリ：8GB以上必須・グラフィック：GeForce GTX 750Ti or Radeon RX 250X 以上・DirectX：11以上必須・ディスク空き容量：11GB・画面解像度：1920×1080以上

インサイド 臥待 弦