• 10/03/2023
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2023年以降の「e-Palette」導入に向けた「MONETサミット」開催。豊田章男社長がサプライズで登場

 MONET Technologiesは3月28日、トヨタ自動車の自動運転EV(電気自動車)「e-Palette(イーパレット)」を利用した将来的なMaaS(Mobility-as-a-Service)事業の展開に向けて、今後のMONETの事業展開や取り組みなどを全国の地方自治体や企業関係者に紹介するイベント「MONETサミット」を東京都内で開催した。

 サミットでは、MONET Technologies 代表取締役社長 兼 CEO 宮川潤一氏、取締役 山本圭司氏、代表取締役副社長 兼 COO 柴尾嘉秀氏が登壇して、これまでの地方自治体や企業と連携したMONETの取り組みをはじめ、今後のビジョンなどについて説明。サミット開催の冒頭には、トヨタ自動車の豊田章男社長がサプライズで登場し、集まった来場者に向けて感謝の気持ちを伝えた。

トヨタ自動車の豊田章男社長がサプライズで登場MONET Technologies 代表取締役社長 兼 CEO 宮川潤一氏

 MONETはトヨタ自動車とソフトバンクによる共同出資会社で、具体的な事業として「オンデマンドモビリティサービス」「データ解析サービス」「Autono-MaaS(Autonomous VehicleとMobility-as-a-Serviceを融合させた造語)」の展開を目的に設立された。

 そのうちオンデマンドモビリティサービス領域においては、2018年度に自治体や企業と連携して「地域連携型オンデマンド交通」や「企業向けシャトルサービス」の展開を開始。将来的にはモビリティサービス専用として開発されたEV「e-Palette」を移動、物流、物販などに活用した「Autono-MaaS」事業の展開を目指している。

2023年以降の「e-Palette」導入に向けた「MONETサミット」開催。豊田章男社長がサプライズで登場

 ステージに登壇した宮川氏は、MONETにおけるMaaS戦略の3つの柱として、路線バスなど「既存交通の高度化」、ライドシェアや移動型コンビニといった各種サービス間の連携によるサービスの提供で「新たなライフスタイルの創出」、スマートシティという言葉に代表される「社会全体の最適化」をMaaSにより実現させることにあると説明した。

20年後の日本において、インターネットにおけるGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)のようにMaaSにおけるMONETという存在を目指すというMaaS戦略の3つの柱

 宮川氏のプレゼンテーションでは、現在の取り組みとして、全国の自治体や企業に向けて利用者の需要に合わせて配車を行なう「地域連携型オンデマンド交通」「企業向けシャトルサービス」といった、有人車両を使ったサービスを展開していることを紹介。

 宮川氏は「自動運転車というのはAIの塊。自動運転車が勝手に運転してくれるというイメージではなく、AIがより賢いAIになるには質のいい大量のデータをAIのエンジンに食べさせてあげる必要がある。ある日突然に自動運転車が出てきても、まだまだ日本の中で受け入れられるような素地がないと思います。その素地作りをこの数年間でしっかり築き上げたい」と、自動運転車導入への基盤を作る時期であるとの考えが示された。

 将来的な自動運転車を活用したMaaSの実現に向けては、車両データにとどまらず人口密度やインフラの環境など「様々なデータとの融合」、利用者の環境を理解する「デマンドの理解」、自治体に応じたMaasを検討していく「自治体連携・まちづくり」、自動運転車を使ってサービスを提供するさまざまな企業による「サービスの共創」が必要であるとプレゼンテーションで説いた。

自動運転車を活用したMaaSの実現に向けて必要な4つのキーファクター4つのキーファクターとして紹介されたスライド

 宮川氏のプレゼンでは、MONETの目指すものとして、MaaSプラットフォームは、次世代の「まちづくり」に必須の新社会インフラと位置付けて、観光事業での付加価値向上、地域医療・教育へのサポート、小売流通での新規サービスなど、企業や行政のデータとの連携で新たなサービスを創出していくとの方向性が示された。

社会インフラとしてMaaSの展開を目指す