• 04/03/2023
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ルネサス、Dialog買収でオンライン会見 ルネサス柴田CEO「自然な相互補完性を持った組み合わせ」

一貫したテーマで買収を続けるルネサス

2017年に米国のアナログ半導体企業Intersil Corporation(インターシル)を買収し、2019年には同じく米国のアナログ半導体企業Integrated Device Technology, Inc.(以下、IDT)の買収を完了

 一方、ルネサスでは、これまでに2017年に米国のアナログ半導体企業Intersil Corporation(インターシル)を買収し、2019年には同じく米国のアナログ半導体企業Integrated Device Technology, Inc.(以下、IDT)の買収を完了している。

 過去の買収により、ルネサスは多様な人材を獲得してマネージメント力を強化。今回の買収もルネサスの取り組みの延長線上にあるもので、DialogのR&D部隊が加わることで低電力アナログ・ミックスドシグナルでのエンジニア陣および設計開発技術を拡充することを目的にしているという。

ルネサス、Dialog買収でオンライン会見 ルネサス柴田CEO「自然な相互補完性を持った組み合わせ」

 説明会の中で、ルネサスの柴田氏は「ここ数年来、一貫したテーマで買収を行なっています。そのテーマというのは、1つはアナログ/ミックスド・シグナルの分野で、特に私達の製品ポートフォリオの中で不足感が強いものを中心に、強化を図ってきたということ。それから、アプリケーションですね、例えば産業用、自動車用、IoTといったアプリケーションのバランスをよりよいバランスにしていきたいと。それからより多様なアプリケーションに対応できるような製品、ビジネスを構築していきたいということ。そしてタレント、特にエンジニアを中心としますがエンジニア以外のタレントも含めて、買収した会社からの積極的な人材の登用を進めて、私たちはもっともっと国際的な企業になって、どんどん組織の活性化をしてきたいと考えて買収を行なってきました」と狙いを話した。

製品面でのシナジー効果が見込まれる事業領域

 Dialog買収による製品面でのシナジーについて、柴田氏は「特に今回のDialogの製品、技術が加わるとによって、もちろんいろんな分野が強化されるんですけれども、特に分かりやすい例で申し上げると、ボディとかインテリアの分野において、例えばコクピットに使われるLEDバックライトであったりとか、あるいはワイヤレスのカギに使う技術だったり、それから一部のADAS、ヘッドライトに使うLEDのドライバーが私たちの中に取り込まれることになります。こうした製品群が強化されることによって、これまで以上に幅広い、end to endというかcomprehensive(包括的)な製品を揃えたソリューションをオートモーティブ、それからインダストリアル、インフラ、IoTの分野に提供していくことができるようになると考えています」と話した。

地域別のエンジニア構成比

 また、人材面についてはDialogを買収することで、エンジニアの従業員構成が、日本人が46%、アメリカが16%、EMEAが16%、APACが21%になるという。

 柴田氏は「エンジニアの従業員人口に限定してお話をしていますけど、ルネサスは当然ですが日本が過半数を占めるエンジニアの人口構成を占めているのに対して、Dialogはヨーロッパが過半を占めるというような構成になってます。この両者が組み合わさることによって、特にアメリカとヨーロッパのバランスが非常に心地よい状態になって、アメリカが16%、ヨーロッパが16%ということで、地政学的状況も大きく変わりつつある中で、どこかの極に集中することなく、より多様な観点から研究開発の活動を継続的に行なえるようになるということが1つの魅力だなと考えています」と説明した。