• 30/01/2023
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ソニー、新最上位ウォークマン「NW-WM1ZM2」。音質向上とストリーミング対応を両立

ソニー、新最上位ウォークマン「NW-WM1ZM2」。音質向上とストリーミング対応を両立

ソニーは、同社 “ウォークマン” の新製品として、Android OS採用により音楽ストリーミングサービスへ対応しつつ、さらなる音質向上も図ったフラグシップモデル「NW-WM1ZM2」、および「NW-WM1AM2」を3月25日より発売する。【写真】従来モデルからディスプレイサイズを大型化いずれも価格はオープンだが、市場ではNW-WM1ZM2が税込40万円前後、NW-WM1AM2が税込16万円前後での実売が想定される。2016年に発売された「NW-WM1Z」「NW-WM1A」の後継となる、ウォークマンの新たな最上位モデル。2モデルの違いは筐体素材と内蔵ストレージ容量、および一部採用パーツで、NW-WM1ZM2は無酸素銅切削筐体に256GBのストレージを内蔵、NW-WM1AM2はアルミ切削筐体に128GBのストレージを内蔵する。各モデルごとの詳細については後述する。■音楽ストリーミングサービスに対応しつつ、高音質設計をより追求両モデル共に、従来モデルが採用していたLinuxベースの独自OSに代わりAndroid OS(Android 11)を搭載。加えてWi-Fiにも対応したことで、Google Playから音楽/動画ストリーミングサービスなどの様々なアプリがインストール可能となった。なお、音質への影響を考慮してGPSは非搭載となっており、GPS機能が必要なアプリには対応しない。同時に、筐体内部においては音質最優先の設計を徹底し、さらなる高音質を実現したとしている。例として、デジタルブロック/アンテナモジュールとアナログブロックとをしっかりと分離して配置し、相互干渉を防止。デジタルブロックには切削無酸素銅製シールドを装着することでノイズを遮蔽するとともに、グランドを安定させてノイズ発生も抑えている。さらに電源部の強化も実施した。バイパスコンデンサーには、独自開発の高分子コンデンサー「FTCAP3」を採用。デジタルオーディオプレーヤー「DMP-Z1」などに搭載していた「FTCAP2」をさらに改良し、耐振動性を高めた最新世代のコンデンサーで、音のクリアネスや音場の広さを向上させたという。バッテリーを繋ぐ電源ケーブルには純度99.96%のOFCを採用し、さらにバッテリー自体も従来モデルより大型化。高音域の伸びや低音域の沈み込みが改善しただけでなく、連続再生時間も最長約40時間(FLAC 96kHz/24bit)と強化された。ほか、すべての部品の接合部において、金を添加した独自の高音質はんだを使用。従来モデルでは手作業ではんだ付けを行う部位にのみ用いていたが、本モデルではすべての接合部に採用することで、音の広がりや定位感が大幅に高まったとしている。デジタル部のクロックにも、新たな超低位相ノイズ水晶発振器を採用。内部の電極に一般的な銀メッキではなく金メッキを施したもので、楽器の分離や低音の量感の改善を実現しているとのこと。■音楽の楽しみ方を広げる「DSEE Ultimate」「DSDリマスタリングエンジン」搭載従来モデルから引き続き、フルデジタルアンプ「S-Master HX(CXD3778GF)」を搭載。PCM 384kHz/32bit、DSD 11.2MHzネイティブ再生まで対応する。ヘッドホン端子も3.5mmアンバランス/4.4mmバランスの2系統を搭載し、実用最大出力はアンバランス接続が60mW+60mW(16Ω)、バランス接続が250mW+250mW(16Ω)となる。非ハイレゾ音源をハイレゾ相当にアップスケーリングする機能「DSEE」は、最新バージョン「DSEE Ultimate」にアップデートされた。サンプリング周波数およびビット深度を最大192kHz/32bit相当まで拡張。AI技術によって曲のタイプを自動判別することで、女性ボーカルなどの高い音域の表現力や、弦楽器の音の伸びや消え際といった微細な音の再現性も向上させるとする。さらに本モデルでは、ストリーミングサービスなどの他社製アプリでの音楽再生や、Bluetoothヘッドホン/イヤホン接続時でもDSEE Ultimateが利用可能となった。加えて、CD相当のロスレスコーデック(FLAC 44.1kHzおよび48kHz)におけるアップスケーリング技術を進化させたとしている。またウォークマンとしては初めて、DMP-Z1などにも採用されていた「DSDリマスタリングエンジン」を搭載した。独自のアルゴリズムにより元のデータを損なうことなくDSD信号に変換する機能で、本モデルではDMP-Z1を上回るDSD 11.2MHz相当への変換に対応。また、音質の好みに応じてオン/オフを切り替えることも可能となっている。なお本機能は、有線接続かつ「W.ミュージック」アプリでの音楽再生のみ対応となる。操作面では、ディスプレイが従来モデルの4.0インチから5.0インチ(1,280×720)に大画面化。ホーム画面と再生画面のUIも一新され、再生アプリ「W.ミュージック」をウィジェットとして表示することが可能となった。また再生画面の背景は、再生中楽曲のジャケット色に応じて変化する。「W.ミュージック」においては、バランス/アンバランス接続それぞれの再生時間を記録する「エイジングカウンター」を搭載。本モデルでは、コンデンサーの特性を安定させ最大限の音質を引き出すために、バランス/アンバランス接続それぞれ200時間ずつのエージングを推奨しており、その状況をいつでも確認することができる。機能面では、従来モデルから引き続き、アナログアンプの特性を再現する「DCリニアライザー」、アナログ再生の音の質感を再現する「バイナルプロセッサー」、楽曲ごとの音量差を揃える「ダイナミックノーマライザー」、イコライザーといった機能を搭載。USB-DAC機能にも対応するが、トーンコントロール機能については非搭載となった。また、立体音響の360 Reality Audioの再生にも対応した。データ転送および充電用端子には、従来のWM-Portに代わりUSB Type-C(USB 3.2 Gen1)を採用した。データ転送だけでなく充電も高速化し、約3時間で80%、約4.5時間で満充電が可能となっている。Bluetoothコーデックは従来のLDAC/aptX HD/aptX/SBCに加え、新たにAACもサポート。一方、NFCやBluetoothレシーバー機能は非搭載となる。ほか、アイ・オー・データのCDドライブ「CDレコ」を接続し、本体への直接CDリッピングに対応した。外形寸法は、両モデル共に約75.6W×H141.4H×20.8Dmm、質量はNW-WM1ZM2が約490g、NW-WM1AM2が約299g。付属品として、USB Type-Cケーブル(USB-A - USB-C)、ヘッドホン端子キャップ(ステレオミニ/バランス標準)を同梱する。そのほか別売りオプションとして、専用レザーケース「CKL-NWWM1M2」も3月25日より同時発売する。価格はオープンだが、税込11,000円前後での実売が予想される。ウォークマン本体の表面を傷や汚れから守りつつ、サイドボタンの操作を妨げない構造を採用。また、従来モデルのカバーからの改善点として、本体側面までしっかりと覆う一方、カバーを装着したまま充電が可能になったとのこと。■筐体素材ごと先述の通り、NW-WM1ZM2とNW-WM1AM2は、筐体素材/内蔵ストレージ容量/一部パーツが主な違いとなる。NW-WM1ZM2は、総削り出しの無酸素銅に純度約99.7%の高純度金メッキを施した、無酸素銅金メッキシャーシを採用。非常に抵抗値の低い無酸素銅と、接触抵抗を低減し酸化を防止する金メッキを組み合わせることで、伸びのある澄んだ高音とクリアで力強い低音域を両立。空気感や余韻において優れた表現力を実現したとしている。さらに、シャーシの無酸素銅には、従来モデルのNW-WM1Zよりも高純度な99.99%(4N)のものを採用している。同社によれば、無酸素銅シャーシの純度の違いが音質に与える影響は大きく、本素材の採用を前提に改めてチューニングを行う必要があったほどだという。アンプからバランス出力ジャックまでをつなぐ内部配線には、DMP-Z1と共通のキンバーケーブル製4芯ケーブルを採用した。NW-WM1Zにおいてもキンバーケーブル製内部配線は採用していたが、今回は同社のヘッドホン用ケーブル「MUC-B20SB1」と同仕様の大口径ケーブルを採用。より力強くなめらかな音質を再現するとしている。背面のリアカバーは削り出しのアルミ製を採用。NW-WM1Zではプラスチックとコルソン銅を組み合わせた2ピース構造となっていたが、今回削り出しの一体構造とすることで剛性を高めた。一方のNW-WM1AM2は、従来モデルのNW-WM1Aから引き続き総削り出しのアルミシャーシを採用。抵抗値の低減と剛性の向上をバランス良く実現している。また、背面には一体型構造のアルミ製カバーを採用。無酸素銅モデルのNW-WM1ZM2と同様に剛性を高めている。

ファイルウェブ編集部