4K+HDRに進化した「Apple TV 4K」でテレビが便利に。課題はコンテンツ数
わかりやすい「4K+HDR」の設定項目
Apple TV 4Kの本質は「4K+HDR」だ。適切なテレビに適切なケーブルをつかって、4K+HDRのコンテンツを表示すればきちんと映る。Apple TVに標準搭載されている、空撮映像を使ったスクリーンセーバーも4K+HDRにリマスタリングされており、UI系も4Kになっている。
編集部にある「REGZA Z10X」にApple TV 4Kをつなぎ、スクリーンセーバーを表示。きちんと4K+HDRになっていることがわかる比較のためにSDRも。色深度とクロマフォーマットが違う4K対応版のNetflixアプリで、4K+HDRのコンテンツを視聴。きちんとHDRになっているただ、4K+HDRのことをご存じの方ならおわかりのように、2K時代に比べ、4K+HDRの設定は複雑化している。同じ4K+HDR対応テレビでも、発売時期によっては「4K+HDR+60p」の表示はできない場合があるし、テレビのHDMI端子のすべてが4K+HDRに対応しているわけでもない。HDMIケーブルも、18Gbpsの伝送帯域に対応した「プレミアムHDMIケーブル」認証のあるものが必要になる。AVファンならともかく、普通の人にはなかなか高いハードルだ。
Apple TV 4Kは、その辺での配慮がうまくできている。
まず接続時には4K+HDRでの接続を試し、「解像度とフレームレート優先」で自動設定を行なうようになっている。
ケーブルをつなぐと、HDRでの表示に対応しているか、自動でテストを行なう「設定」の「ビデオとオーディオ」の中にはより詳しく、きちんと設定するための項目も用意されている。まずは「ケーブルを調べる」を選ぶことをお勧めする。これを実行することで、適切な表示が行なえるかどうか、調べてくれるのだ。4K+HDRが見れるつもりなのにうまくいかない場合には、ここでセッティングできるし、ケーブルの問題も見つけられる。
「ビデオとオーディオ」から、各種設定が行える。特に解像度・色深度などの設定項目は充実している。「ケーブルを調べる」を選ぶと、適切な設定かどうか・ケーブルが規格に対応したものかどうかを確認してくれるもちろん、明示的に設定を変えることもできる。解像度・色域・フレームレート毎に設定が並んでいるので、自分が求めるものを選んで試してみればいい。
4K+HDR関係で面倒なのは、スペック的に機器は機能を満たしているのに表示出来ない場合、それが「テレビの問題」か「ケーブルの問題」か「機器の問題」かが分かりづらいことだ。Apple TVもそのジレンマと無縁ではないが、少なくとも、各種設定から明示的にチェックできるので、「問題がどこにあるか」「どの表示を今の自分が使えるか」はわかりやすくなっている。過渡期的な仕様といえるが、この種の機器の中では、Apple TVの仕様は「わかりやすいもの」といえる。
解像度・色域などを明示的に選んで設定することも可能。「使える・使えない」を自分で試して確認できる分、わかりやすくはある。PCでの解像度変更に近いUIで、変更結果をチェックできる解像度だけでなくクロマ設定も、動作確認しながら設定が行なえるなお、オーディオ出力については、2015年モデルと同様で、7.1chもしくは5.1chの出力まで。Dolby Atomosなどのオブジェクトオーディオには対応していない。
オーディオ出力に変化はない